腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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春宮side。




可愛い女の子たちを連れ、夏祭り。


最高の気分のはずだ。

それなのに、その幸せの時間はあっという間に壊された。







「あれ？明菜くんどこ見てるの？」

「……ううん、何にもないよー」








なんで、あいつあそこに立ってんの？

誰かと待ち合わせでもしてるのか




その後も女の子たちと回り、また同じAのいた場所に戻るとまだ居た。

いや、いつまでいるの


女の子たちが食べ終わるまで待っていると雨が降ってきた。



それなのに、Aはずっと微動だにせず立っている。
……バカなの？








「ったく、何泣いてんの」







近づくと、雨に紛れ涙を流していた。

俺が話しかけると、とても驚いた顔をする。


せっかく、女の子たちと楽しい時間を過ごしていたのに、わざわざ置いてきてあげたから感謝しろ



くしゃみまでして、顔も赤いし風邪引いてるんじゃないか？

仕方ないな…。








「ほら、さっさと行くよ」







俺の家に、そう付け足すと大声を出し驚いた。

俺だって、男を家に入れる趣味はない。熱を出して倒れられたりしたら困るだけ。









『お、お邪魔します…』









よそよそしく、入ってくる。

いや、一応俺たち同い年だろ




風呂や服を貸して、適当にテレビを見ているとソファーの上で寝ていった。



さっきまでよそよそしかったくせに人の家で寝るとか、何なんだよ…。









「明菜！！いるか！？」








……うっわ、最悪。









「そんなに騒がれると迷惑」

「Aは、いる！？」

「…さー、どーだろうねぇー」







雨なのか、汗なのか、分からないけれど服が濡れていて汚い。


珍しく、焦っている様子の秋川。
初めて見たかもしれない。


…面白い

あえて、焦っている様子の秋川を見るためにAが居るということを隠した。








「嘘はだめだよ」









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