腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

7。 ページ8

.






『てか、今日放課後一緒に本屋行かない？』

「え、デート？」

『違うわ、バカ。ベーコンレタス買いに行くんだよ』








BLと言いたいところだが、残念ながら人が多い為太陽にしか伝わらない声で言う。

ついでに言えば、BLの代わりになる言葉はだいたい、納豆やベーコンレタス、薔薇とかだ。

時々、納豆とが好き好きと言い過ぎて周りの健全な男子高生に納豆大好き野郎だと勘違いされたりすることはある。






「おけ。じゃあ学校終わったらそのまま直行で」








太陽と本屋に行っても結局はジャンルが違うからあまり話さない。だって、俺はSMについては殆ど無知。時々見るくらいだ。




そういえば、図書委員の仕事っていつからなんだろう。

秋川先輩と一緒にできるのは嬉しいけど、放課後潰されるのはやっぱり嫌だな。確かに秋川先輩から直接供給されるのは嬉しいが、BL漫画も嗜みたい。



てか、秋川先輩の方がもっと嫌だろ。

こんな俺みたいなやつと放課後一緒とか地獄だと思ってるかも……。いや、秋川先輩は天使だからそんなの思わないな。




頭の中でグルグル悩んでも相手がどう思っているのかは分からない。まだ秋川先輩の事、遠目で見た知識くらいしかないんだから。









「ん？何悩んでんだよ」

『推しの心境が分からなくて』

「分かる。初見でまず妄想して興奮するけど、急に我に返って何も分からなくなるんだよな」

『そう、本当にそれな！！』









オタクあるあるに激しく共感する。

そして、二人同時に熱い瞳で見つめ合い手を握った。
流石太陽。俺の気持ちを分かるオタクだ。


太陽はそんな推しとは真逆だよな。
容姿は本性が分からない怖い不良みたいなやつだけど、話してみたら中身はただの単純なオタクだ。









『うーん、お前も、その髪型をどうにかしたら友達出来るのに』

「いきなり何だよ」








サラサラの銀髪を撫でる。


銀が光って、綺麗だ。しかし、周りはこの銀髪が嫌なんだよな。なんで？まあ俺も最初はそうだったけど……。








「何？汚れるから触んな」









前言撤回。


こいつは例え黒髪になろうが友達はできない。








『俺が触っただけで汚れるわけないだろ！？むしろキレイになるし！』

「……キレイの意味知ってる？」

『いや、馬鹿にすんなよ！！』








容姿だけじゃなくこういう所も友達出来ない原因だ。





．

8。→←設定。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す