腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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「このBLだと、手を繋ぐくらいからだな」

『は？いや、何握ってきてるの！？怖いんだけど！』





BL本を真剣に見つめながら、俺の手を握る。

何を考えているんだ、こいつ。


まあ、確かに俺がBLみたいな誘ってる感じ出したのも悪いけど…。





手を離そうとするほど強く握られるから、抵抗するのは諦めた。


別に、手くらいはな、普通の男同士の友達でも抱きついたりするからな。
例は、春宮。






手を握られていない片方の手でBLを読んでいると、突然ぬるっとしたものが俺の耳に触れた。






『ひっ、』





自分の顔が赤く染まったことが分かるほど、熱く感じる。


嫌味かのようにくちゅりと無駄に音を立てて舐め、俺の体は自然とゾクゾクと背中を震わせた。






「敏感」

『……ッ！触んない、で！』

「無理」





ニヤリと余裕の笑みを浮かべながら、俺の体を強く固定する。

直に感じる息が熱い。本当に生々しいし、最悪だ。



そして、今度は首を舐めてきた。

ﾋﾞｸｯと反応したが、太陽はそのまま続ける。





『あっ、た、太陽、んっ、』






本当にこいつ漫画通りにする気かよ


確か、この後って……





すると、突然抵抗していた俺の手を掴まれ、そのまま床に倒された。

怖くて目をぎゅっと閉じる。


そして、服の中に太陽の手が入る。





『……っ！ ん、っ……。……ふ、あっ』




俺の反応を楽しむかのように焦れったく触ってくる。

しかも、逃げられないように片腕を押さえこみながら鎖骨をくすぐり続けられる。





くそ、絶対声出さない。

睨んでやろうと思い目を開けると、俺は固まってしまった。





あまりにも、獣のような目で俺を見下ろしているから。


少し赤く染まっていて、息も荒い。







俺、襲われる。




そう思った瞬間、恐怖を感じた。









『ひっ、い、いや、太陽！！』









油断したのか、やっと離された俺の両手で目を隠す。


見られたくない。こんなことを涙を流してるだなんて恥だ。






「ご……ごめん、A、俺」






触ってこようとした手を咄嗟に拒む。


そんな俺の姿を見て、太陽は明らかに傷ついた顔をした。



あ、どうしよう、俺…。流石に、謝らなくちゃ







「ごめん。マジでごめん。家帰って頭冷やす」


『え、た、太陽』


「ごめん」





振り向きもせず、扉を締められた。



置いてくのかよ…クソ太陽。

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