３７-2 ページ41
「そっか、俺らも気合入れなきゃね…Aちゃんに良いもの見せてあげないとね？」
『いやいや、そこは私じゃなくて来てくれる方に、ですよね(笑)』
「それは言われなくてもわかってるわ(笑)」
松本さんは楽しそうに笑って私のおでこをコツンと小突いてきた。今日はよく小突かれる日だなあ(笑)
「俺のソロは、空飛ぶ予定だから」
『はい？』
「うん、予定だけどね、俺も飛ぶし、メンバーも飛ばせたいし」
『いや、なんとなく言いたいこと伝わりますけどそのままの単語で聞くと”へっ？”ってなりますから…』
「ふふふっ、魔法使いみたいっしょ」
『空を飛ぶ予定の人なんてそうそういないですもん』
「ほら、こんな感じ」
ぺらり、と松本さんが見せてくれた資料の一枚には、不思議な小さい形のステージに5人が乗っている絵が描かれていた。どうやらこれごと飛ばすらしい…その下には3Dと書かれている。
『想像が…あまり…できないです』
「そう？これをね、会場の上を自由自在に、動かすわけ。ワクワクしない？」
そういって話す松本さんの目は少年みたいにキラキラしてる。あぁ、この人のこういうとこに
周りの人たちは魅了されてるんだろうなぁ…。
『はい、尚更楽しみになってきました』
私が笑顔で返すと、松本さんも納得したようにニッコリと目を細めた。
ギュイ〜〜〜〜ン！！！
突然のギター音に松本さんと私で思わずビクッとする。
ブースの中をみると真顔の二宮さんがこっちを見ながら向かって煽るようにギターを鳴らす。
「へいへいへい、お二人さんさぁ〜」
「さっきから楽しそうにお話してますけど」
「俺が頑張って歌ってるのに？」
「ちょっとは聴いてくれてもいいんじゃねえの！！」
ジャーン、と言葉言葉の合間にギターを鳴らしながらこっちに話しかけてくる二宮さん。
…かっこいいギター漫談？
思わずくすっと笑うと「だから何笑ってんだよお前さー！！」と二宮さんはなぜかイライラモード。
隣に座ってる松本さんも笑ってる…と思ったら何か考え込むようにしている。なんだろう？
「あっ、そうか…そうやって繋げば…あー、うん、分かった」
なにか1人ブツブツと…するといきなりスッと立ち上がった。
「いいの考えついたわ、うん、あとそれに、これ以上ニノにヤキモチ焼かれて警戒されても面倒くさいしね(笑)」
そう言うと松本さんは私の頭をぽんっと撫でてブースの中に入っていった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2016年4月25日 20時
