２０ [Both side] ページ22
20.
「なんで、アイツ」
「ちょっとまって、話が読めないんだけど俺」
「ごめん相葉さんちょっと黙って」
「えっ！」
「この間、話があるって言われたんだ。前にも言ったけど、俺はお前とAちゃんの間で何が合ったのかは知らないし、聞こうとは思ってない。ただ、
−−−−−−−−−−−−−−
『笹沢さん、すいませんでした。ここ何日か、ご迷惑おかけしちゃって…』
「別にそれくらいどうってことないけどさ…なんだよ、急に事務所で話があるだなんて、ニノの前で話せないってことか？まさか辞めるとかいうわけじゃ」
『あ、えーっと、その、まさかです』
「…おいおい、」
『でも！その、二宮さんは、悪くなんです。悪いのは、私です』
「…それは、Aちゃんの、昔話に関係するのか」
『…笹沢さん、人が悪いですね。知ってたんですか、私の昔の話』
私がそういうと、笹沢さんは苦笑いをして小さく頭を下げた。
「すまん、一応、社内の話でもあるし、俺は上司になるからな。デスクチーフの方から話は聞かされてた。黙ってたことは、本当にすまない」
『…まぁ、しょうがないです』
「安心してくれっていうのも変だと思うが、上層部で話は止まってると聞いてる。もちろん、俺以外誰も知らない筈だ。ニノも、メンバーも」
それはなんとなくわかってた。だって、知ってたら…
二宮さんは"爆発"なんてしなかっただろうし。
『つまり、私の問題です。たぶん、私が、もう二宮さんのそばにはいられないんです。お願いします。デスクに戻らせてください。もちろんすぐにとは言いません。最後まで、きちんと二宮さんのお世話をしてから、現場を離れますから』
「…わかった、とりあえずその話は受け取った。だが、あとすこし、待ってくれ。知ってるだろうけど、これから夏に向かって嵐は忙しくなっていくし、ニノの映画の撮影もまだ中盤だろ」
『…はい、わかりました』
やっぱり、私は笹沢さんに迷惑をかけてばかりな気がする。二宮さんのそばにいたらいけないし、なにより、私は現場には向いてないんだ。
−−−−−−−−−−−−−−
「ただ、ニノ。お前、Aちゃんがいなくなって、やっていけんのか？」
「…何言ってのささやん、だって俺」
俺、ずっと一人でやってきた。あれ以来、ずっと。個人マネなんかいらないって、
「にーの、」
「なに」
「また後悔するよ。いいの？」
あぁ、ほら、また。相葉さんの言葉が俺に刺さる。
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作成日時：2016年4月25日 20時
