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「なんや、抵抗せえへんのか」
ゾムは素早く拳銃をバラすとそれを床に放る。
Aはソファに倒されたまま５年前の事を思い出していた。
思考に耽れば耽るほど目頭が熱くなり、そのまま涙を流す。
「…？なんで泣いとるんや」
ゾムは馬乗りになったままAの顔を至近距離でじっと見つめる。
「…関わりがあったの、その５年前の大戦争…詳しくは言いたくない。でも…残酷だった、あの大戦は」
目を閉じれば鮮明に蘇る。
火の海の中を歩く、アンドロイドたちの事を。
彼のことを。
『出会えてよかった』
再び目を開ければ目の前のアンドロイドは怪訝な表情を浮かべている。
同時に殺してしまおうかどうか審議しているようにも見えた。
「戦闘型のアンドロイドに殺されそうになってるなんて…これも神様が私へ与えた罰だね」
Aはそう言ってゾムが手にしてるナイフの刃を握った。
そのまま自身の首元にそれをやり、じっとゾムの目を見る。
「殺してくれて構わない。貴方は自分の生きたい生き方をすればいい」
「…！」
そう言われ、ゾムは強張る。
そんなこと…身体が起動してから初めて言われたからだ。
「ほんまに殺すで…？」
「構わない。罰だから」
「罰ってなんや…死ぬなら教えてや」
「…教えるつもりはない。墓場まで持っていくの」
思い出すのは、あまりにも辛すぎるから。
そう言って物憂げに微笑んだ目の前の女に、ゾムはナイフを振りかざす。
覚悟が決まったAは目を閉じた。
「天国で会えるのいいね…」
振り上げたナイフは、Aの喉元ギリギリで止まった。
Aはゆっくり瞼を開け、止まっているナイフを見る。
「なんで殺さないの？」
「……分からん。身体が勝手に止まった。バグやろか」
ゾムはAから降りると、向かい合っているもうひとつのソファに座る。
何かを思考しているようだが、小さくブツブツと呟いており、何も聞こえなかった。
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しゃぴ - がんばって (8月31日 17時) (
レス) @page3 id: 70ecd8a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - まる麺さん» まる麺さん 喫茶の店主ポジですね…！私もお気に入りですありがとうございます！ (7月26日 19時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - emさんのお話の中での立ち位置が似合いすぎて好きです！！ (7月26日 0時) (レス) @page32 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - ノットラインさん» ノットラインさん ありがとうございます！マイペースに頑張りたいと思います…！ (7月23日 22時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
ノットライン(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしています！！主様のペースで更新頑張ってください！！ (7月23日 2時) (レス) @page25 id: ef443ece5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年7月15日 18時
