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Aの住む街は、午前中とても静かだ。
夜働いている人間やアンドロイドが多い為、そんな人達のために朝方まではかろうじてラーメン屋や定食屋が空いていることがあるが、昼近くになるとシャッター街のようになる。
ちらほら何軒か店は開いているが、人通りはかなり少なかった。
「着いた」
喫茶店の前に着いた3人はカランコロンと鳴るドアを開け、中に入る。
落ち着いた雰囲気の少し薄暗い店内のカウンターには、ひとりの男が立っていた。
「おやAさん。こんな時間に来店とはとは珍しいですね」
亜麻色の髪に真っ白な瞳。
茶色のベストにボロタイをしたその男は、にっこりと微笑んでいる。
「アンドロイドやないか」
ゾムは片眉を上げカウンターにいる男を見る。
「誰も人間が経営してるなんて言ってないよ。アンドロイドだけで回してる店もあるし。ねぇ、エーミール」
「おや、Aさんのお友達ですか？いつもおひとりで来るのに珍しいですね」
注文をしなくとも、いつもAが飲む珈琲の豆を挽く。
便利な機械が多いが、エーミールは『自分で挽くのが好きだ』と手動のミルを使っている。
「エミさん、最近はどう？」
「最近ですか？そうですねぇ…ああ！先日お客さんが『美味しいお菓子』を手土産に持ってきてくれまして！非常に美味しそうなので、お客様にお出ししようかと思ってまして」
カウンターに座りニコニコとしているA。
ゾムは顔から疑問が滲み出ており、ロボロはその横で黙って話を聞いている。
「『美味しいお菓子』か〜！いいね！お菓子には目がないんだよね」
「よかったら食べられますか？味見もして欲しいですし、ちょうど店仕舞いをしようかと思ってたんです。お裾分けしますよ」
「嬉しい！お願い！」
エーミールはAの前に珈琲を置く。
カウンターから出、店外へ出るとガラガラとシャッターを下ろす。
ガチャリと鍵を掛けさらにカーテンを閉めると「はぁ」っとため息をついた。
「Aさん、どうしたんですかアンドロイドを連れて」
やれやれと肩をすくめたエーミールを他所に、淹れたて珈琲を飲みながら答える。
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しゃぴ - がんばって (8月31日 17時) (
レス) @page3 id: 70ecd8a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - まる麺さん» まる麺さん 喫茶の店主ポジですね…！私もお気に入りですありがとうございます！ (7月26日 19時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - emさんのお話の中での立ち位置が似合いすぎて好きです！！ (7月26日 0時) (レス) @page32 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - ノットラインさん» ノットラインさん ありがとうございます！マイペースに頑張りたいと思います…！ (7月23日 22時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
ノットライン(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしています！！主様のペースで更新頑張ってください！！ (7月23日 2時) (レス) @page25 id: ef443ece5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年7月15日 18時
