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「彼は自我が芽生えてなさそうだけど…ここにいる理由は？訳ありアンドロイド以外もいるの？」
倉庫にいる人物達はいずれも、自覚しているいないはあれど、自我の芽生えが大なり小なりある。
しかし、ロボロからそれを伺えないことにAは疑問が生まれる。
椅子に座っている大先生は「あー…」と何やら知っているようだが、話していいものかと濁していた。
「ごめん。質問が悪かったね。機会があれば直接聞いてみるよ」
他人にベラベラ自分のこと話されるの、誰だって嫌だよね。
そう言うとAも扉をギィと開け出発の準備をする。
「必ずトントンさんを治しに帰ってくるよ。夕方までに戻らなかったら、ここが喫茶店の住所だから。万に一つもないとは思うけどね」
自分にもしものことがあったらと、僅かな可能性でも選択肢を残す生き様は軍人の時に身に付けたものだ。
軍人になって良かったことといえば、そういう対処に長けたことぐらい。
それ以外は…軍人になったことを後悔している。
「場所の登録は済んだ？」
必要最低限と持って来た小さな救急セットからガーゼを取り出す。
ロボロの顔に掛かった布を取ると傷口にガーゼを貼り付けた。
「済んだ。というか…Aの事務所から近いやんけ」
「そこで出る珈琲がお気に入りでね。よく行くの」
ロボロは黙ったまま、布を外された事に文句も言わない。
この時代、どんなファッションをしていてもそう目立つ事はないが、顔に布をかけて隠している人…というのはあまりいない。
変な目立ち方をしないようにというAの配慮だった。
「朝早く出たおかげでまだ午前中だね。さっさと済ませよう」
Aは腕に巻かれた時計のスイッチを押す。
プロジェクターのように宙に文字が浮かび上がると時刻、天気、ニュースなどの情報になんとなく目を通した。
「近道で行こか。人目につきにくいし早い。ただアップダウンがある、着いて来れそうか？」
「これでも元軍人だからね」
「問題ないで」
ゾムが案内する道を行くと、1時間掛かる道が30分で済んだ。
もちろん、壁を登ったり屋上だったりと道のりは険しかったがAも元軍人、大したことはなかった。
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しゃぴ - がんばって (8月31日 17時) (
レス) @page3 id: 70ecd8a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - まる麺さん» まる麺さん 喫茶の店主ポジですね…！私もお気に入りですありがとうございます！ (7月26日 19時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - emさんのお話の中での立ち位置が似合いすぎて好きです！！ (7月26日 0時) (レス) @page32 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - ノットラインさん» ノットラインさん ありがとうございます！マイペースに頑張りたいと思います…！ (7月23日 22時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
ノットライン(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしています！！主様のペースで更新頑張ってください！！ (7月23日 2時) (レス) @page25 id: ef443ece5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年7月15日 18時
