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「機能の停止がイコール『死』やって結びついた瞬間、自我が芽生えてなぁ。そら死に物狂いで生き残ったで」
人間が過去を思い出すときのように目線を斜め下に向け、過去の情景に浸る。
５年前の戦争と聞き、Aは押し黙った。
それに気がついた大先生は「嫌な事思い出させたならごめんなぁ」と気遣うように優しい声色で謝罪をする。
…こんなのもう、人間と大差がない。
「んでぇ？さっきから突っ立っとるけども、ゾムさんはなんでAちゃんを俺らのところに連れて来てん？」
Aの少し後ろで佇んでいたゾムはフードを取ると、簡易的なカーテンで仕切られた小部屋を指差す。
「そいつがアンドロイドに詳しそうやったから連れて来た。診てやってほしい」
Aは指の差された方へ視線を向け、歩き出す。
途中こちらを睨むコネシマの前を通り過ぎ、カーテンを潜るとその悲惨な光景に瞳を大きく揺らす。
「これ…は…！」
部屋の壁にもたれるように、一体のアンドロイドが座っていた。
座っているという言葉はきっと正確ではない。
力なくダラリと首が横に落ち、右足はパーツこそ残っているものの、膝関節から下が外れている。
瞳の色と同じ赤色の燃料が身体から漏れ、まるで血溜まりだ。
どうやらスリープ状態になっている。
「逃げる時に足を持って行かれたらしいんよ。それから、身体全体を動かすための部品が一つ足りひん」
「……大先生、彼の名前は？」
「…型番やなくて、最初に名前の方を聞いてくれるんやなぁAちゃんは。俺らはトントンって呼んどる。型番はMC0217、整備型のアンドロイドや」
トントンと呼ばれたアンドロイドの前に座る。
そしてまるで小さな子供を起こすように、優しく彼の名前を呼ぶ。
スリープ状態でチカチカと光っていた赤色の瞳は色を取り戻す。
「だ……れ…や…」
「…人間です。名前はA。トントンさんで合ってますか？」
力無く頷くトントンの手を優しく取り、Aは微笑む。
「貴方を治します。整備型のアンドロイドと聞きました。貴方が治れば、きっとここの人たちも安心するでしょう」
整備型のアンドロイドは、機械を直すことに特化したアンドロイドだ。
当然、アンドロイドの点検や修理も行えるはず。
彼が治れば、ここにいるアンドロイド達の安心材料となるのだろう。
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しゃぴ - がんばって (8月31日 17時) (
レス) @page3 id: 70ecd8a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - まる麺さん» まる麺さん 喫茶の店主ポジですね…！私もお気に入りですありがとうございます！ (7月26日 19時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - emさんのお話の中での立ち位置が似合いすぎて好きです！！ (7月26日 0時) (レス) @page32 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - ノットラインさん» ノットラインさん ありがとうございます！マイペースに頑張りたいと思います…！ (7月23日 22時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
ノットライン(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしています！！主様のペースで更新頑張ってください！！ (7月23日 2時) (レス) @page25 id: ef443ece5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年7月15日 18時
