隠れ家 ページ13
外を歩く時、彼はフードを深く被る。
アンドロイドには量産型と専用型が存在する。
量産型は統一された型番があり、容姿も同じように作られる。
家事代行型のアンドロイドや、子守型のアンドロイドは量産型が多い。
戦闘型のアンドロイドにも当然、量産型はある。
しかし何かに特化したタイプのアンドロイドは容姿が違ったりもする。
また、戦争中の指揮統制をするのは結局人間だ。
どのアンドロイドがどの配置につくか分からなくなってしまっては元も子もない。
ある程度分別が付く容姿を与えられたアンドロイドもいた。
彼…ゾムは量産型の中では見たことの無い容姿だった。
きっと専用型のアンドロイドなのだろう。
なれば深くフードを被らなくとも、見た目でアンドロイドとバレる心配は無いのにとAは横目で見ながら思った。
「もうすぐ着く。大人しくしとれよ」
貧民街の路地を歩きながらゾムは呟く。
「…相変わらず酷いところ、ここは」
貧民街は物乞いをする子供が多い。
子綺麗な格好をしていれば子供達が擦り寄ってくる。
「助けてあげたい」と誰かひとりにお金を渡したところで、それはまた新たな争いを生むだけ。
Aは擦り寄ってきた子供達にあえてキツく当たり、鋭い眼光で歩き続けた。
人間から仕事を奪うアンドロイドの普及は、果たして本当に喜ばしいことなのかと…考えずにはいられない。
ゾムに付いて行くと、路地の行き止まりで足を止めた。
Aもその後ろで立ち止まり、指示を待つ。
「入り方、覚えてや」
ゾムはそう言うと壁際に置いてあったゴミ箱を避ける。
隠していたのは地下へと続く場所の入り口で、ゾムは足で1回、また間を開けて1回、最後に4回ノックするとガチャっと原始的な鍵が開く音が聞こえた。
「この時代にオートロックじゃないなんて…流石は隠れ家」
「手動ならハッキングされる心配ないからな」
扉をギィっと開けたのは、顔に布を掛けた小柄なアンドロイドだった。
目元は見えないが、ちらりと見えた頬には外傷があり、それを隠しているのだろうかとAは考える。
ゾムだけでないことは最初から察していたらしく、ちらりとAの方を見るがその表情は変わらない。
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しゃぴ - がんばって (8月31日 17時) (
レス) @page3 id: 70ecd8a4b0 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - まる麺さん» まる麺さん 喫茶の店主ポジですね…！私もお気に入りですありがとうございます！ (7月26日 19時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - emさんのお話の中での立ち位置が似合いすぎて好きです！！ (7月26日 0時) (レス) @page32 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - ノットラインさん» ノットラインさん ありがとうございます！マイペースに頑張りたいと思います…！ (7月23日 22時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
ノットライン(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしています！！主様のペースで更新頑張ってください！！ (7月23日 2時) (レス) @page25 id: ef443ece5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年7月15日 18時
