【後日談】お出掛け大乱闘 ページ7
「いや〜Aとふたりで静かに過ごせるんやから、じゃんけん負けたのはむしろ勝ちやったかもしれへんなぁ」
人の祈りを書記する場所でAは筆を握り、大先生は日向ぼっこをしながらAの膝に頭を乗せ横になっている。
「毎月白熱してるらしいね」
「そら街に降りるんも珍しいけど、Aと一緒に出掛けられるっていうのが楽しいやんか」
まぁ、今回は見張り番として勝負にすら参加できませんでしたけど。
そう言う大先生だが悔しそうな感じはまるでなく、むしろこの時間を楽しんでいるように見える。
「来月は負けへんようにせんとなぁ」
「欲しいものとかないの？」
「煙草は蔵にたくさんあるしなぁ。強いて言うなら珈琲かな」
「嗜好品だ」
「神使は欲を自制する必要無いんや」
穏やかすぎるその光景。
爽やかな風が襖から入り、Aの前髪を揺らす。
「今月は誰と一緒なんだろうね。楽しみだなぁ」
「今頃壮絶な内ゲバが行われとるやろなぁ」
熾烈な戦いを繰り広げているであろうことを想像しながら、大先生はAの膝でウトウトと浅い眠りへ落ちていった。
・・・
「おらロボロ！防戦一方で大丈夫かぁ！？」
「ふはっ。分かってへんなぁシャオロン。攻め時間違えたらあかんっちゅう話やで」
とある人里離れた山の中。
ここでは多少の騒ぎは全く聞こえない。
そんな山の中で７人は武器を持ち声を荒げながら戦闘を繰り広げている。
理由は簡単。
月に一度、Aに必要な生活必需品や食料を街に買いに行く。
その買い出しに『誰がついて行くか』を決めるためにわざわざこうして山の中にまで入って決めているのだ。
Aを神社にひとりにしておくわけにはいかないので神社から出る際、ひとりだけは留守番。
その時点で街への買い物には参加ができない。今回は大先生がジャンケンに負けたため、その任についている。
「音もなく近付くのやめろってトントン！」
「はえ〜避けられたか。危機回避だけはよぉできるわチーノ」
戦闘ルールは簡単。
胸にかかっているペンダントを奪う、もしくは破壊する事。
チェーンを切って地面に落ちても有効で、とにかく相手のペンダントを再起不能にすれば勝ちというルールだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 861人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます！マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (
レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます！訂正致しました！ (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜！ (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです！次の更新が楽しみです！体調に気をつけてこれからも頑張って下さい！ (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月29日 21時
