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夜桜祭り当日。
我々神社には何百年ぶりとなる人を招く夜の明かりが灯る。
７時半頃を過ぎた神社には親子連れを中心に、浴衣を着た若いカップルもいる。
神社の周りにある桜も祭りの名にふさわしく美しく咲き誇っていた。
「すごい…！」
溢れ返るほど人がいる…と言う訳ではない。
それでもこれだけの人が同時に神社に集まるのを初めて見たAは思わず笑顔が溢れる。
屋台は定番のものから、Aや神使達が練り歩きに使用していた猫面と似たものがお面屋に並んでいる。
いつもの巫女服姿で参道へ出ると、今回協力してくれた商店街の会長が穏やかな顔で手を振っている。
「本当にありがとうございました」
「いやいや、小さい頃からこの神社には世話になっとるでなぁ。それに、困ってる人を助ければ、神様は必ず見とってくださる」
その言葉に、Aは「そうですね」と笑う。
すでに会長に付与した小さな加護は、きっと近々彼に幸運をもたらすことだろう。
「A」
名前を呼ばれて振り向くとそこには猫面を被ったゾムがいた。
「あれ、もう時間？」
「せや、準備もあるからなぁ。トントンが部屋で待っとるで」
手を握られ本殿の自室へ行くと、すでにトントンが部屋で神楽の準備をしていた。
「おお来たな。そこに掛かってる千早(ちはや)羽織ってくれるか」
「はーい」
巫女装束の上から千早(ちはや)という巫女が神事奉仕や神楽などを舞う際に羽織る装束を着る。
美しい松が描かれた千早は舞で落ちないよう、しっかりと胸にある赤い紐で結ばれた。
「神楽殿はまぁ即席ではあるが俺らが作った。場所は確認したな？」
「うん、即席であんなの作れるのすごいね」
我々神社には神楽殿が無いため、神使達がここ２日で作り上げた。
即席であるとは言っていたが、立派な舞台となっている。
「でも大丈夫かな…私が舞っても」
Aは今回『巫女』として神楽を舞う。
つまりしっかりと人前に顔を晒し、その舞台に立つということだ。
半神として長く生きる彼女が顔を晒せば年月が経った時にその神楽を見た者に違和感を落とすのでは無いか、そんな不安を話す。
トントンはAの頭に髻華(うず)と呼ばれる髪飾りを差し込みながら笑う。
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味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます！マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (
レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます！訂正致しました！ (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜！ (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです！次の更新が楽しみです！体調に気をつけてこれからも頑張って下さい！ (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月29日 21時
