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ページ29

早朝、4時半。

グルッペンが神社へ戻るとAの部屋の襖がスパーンと開き、中から神使全員が出てきた。




「A!」




シャオロンが一番に駆け寄り、眠るAを見てほっと一安心する。




「お前らずっとAの部屋で待ってたんか?」



 
呆れたようにグルッペンがそう問うと「何がおかしいんや」と全員が当たり前のような顔を浮かべている。




「こいつはほんまに…ようトラブルに巻き込まれるわ」




はーーっと大きなため息をついたコネシマだが、無事に戻ってきたAをグルッペンから受け取ると安心したように横抱きのまま大切に抱きしめる。




「コネシマのそんな顔が見れるとは…」

「せやろ?こいつはな『神たらし』やねん」




ニッと笑うコネシマはAを部屋へと連れて行った。

外まで出てきたトントンはグルッペンの元へ行くと今回の騒動について問う。




「で?理由はなんやったんや」

「生前の悪人達が、Aの力のことを知って黄泉から出ようとしたんや。理由はイザナミが今、黄泉の国の『掃除』をしとるからだ」



はぁーんとトントンは不機嫌そうな顔を浮かべる。

そんなことにAを巻き込むなんてとしっかりと顔に書かれていた。




「無理矢理黄泉飯を食わされそうになっとたからな。ギリギリやった」




部屋に運ばれたAを見送ったグルッペンは大きく伸びをし、そろそろ行くかとエーミールを呼ぶ。




「たまには飯でも食いに帰ったらどうや?Aも喜ぶ思うけど」

「…せやな、時間ができたらまた寄るわ」




グルッペンは背中を向け片手をひらひらと手を降り、エーミールも深々と頭を下げると姿を消した。


 

「大事にならなくてよかったですね」

 


我々神社から離れたとある社の中で、エーミールは微笑む。




「今回はやけに、Aさんの異変に早く動きましたね。何故ですか?」




エーミールの問いに、グルッペンは登る朝日を見ながら答える。
 



自分が駆けつけていれば。




前世の彼女を思い出し、グルッペンは目を細める。

 


「あんな思い…もう二度としたないからなぁ」




小さく、弱々しくそう呟いたグルッペンにエーミールは何も問うことはなく「そうですか」と優しい声色で答えた。









【後日談】よもつへぐい(2)

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味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます!マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます!訂正致しました! (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜! (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです!次の更新が楽しみです!体調に気をつけてこれからも頑張って下さい! (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:味鈴 | 作成日時:2023年6月29日 21時

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