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「誰の仕業や」
神社に住まわせている黒猫の報告を受け、事の重大さに急いで神社へ飛んできたグルッペン、エーミール。
夜中の２時頃にも関わらず、もぬけの殻になったAの布団を見て大きなため息をついている。
急にAの気配を遮断された神使たちも飛び起き、バタバタと全員が部屋に集まった。
「グルッペンにエーミール…なんや…どうなっとる」
Aの気配が消え、突然現れたふたりに嫌な予感を隠す事なくトントンは問う。
「どうもこうもありませんよ。Aさんは誘拐されてます」
エーミールはもぬけの殻になった布団をめくる。
するとふわっと香ってきた匂いに、全員が眉を寄せた。
「硫黄…黄泉か」
チッと舌打ちしたグルッペン。
また面倒なところにという彼に、神使たちは説明を求めるように見つめる。
「Aが黄泉に連れてかれた。誰の仕業か知らんが迎えにいかへんと」
「なんでまたそんな…」
なぜ突然黄泉に？
その疑問に答えられる人物はおらず、グルッペンは黙ったまま思考している。
「分からん。だがどのみちイザナミに会うしかないやろ。黄泉は死ぬか、招待されないと入れん」
グルッペンは神使たちの方に向き直る。
「Aは黄泉のルールを知っとるか？」
黄泉は現世と違い、その場所独自のルールがある。
有名なものは当然よもつへぐい。
黄泉のものを口にすると現世には戻れないというものだ。
「俺は今から黄泉へ迎えに行くが、Aがもしよもつへぐいなんかしててみろ、連れ戻せん」
それは神でも例外ではない。
黄泉でのルールは絶対なのだ。
「ついこないだ…機会があってたまたま教えた」
不安そうなゾムがそう言うとグルッペンは小さく息を吐く。
「ならとりあえず安心か…ま、早いに越したことはない」
グルッペンは踵を返すとAの部屋から出、外へ出る。
手をかざすと空間が歪み見た事のない場所が映し出されている。
「俺らも…！」
「ダメや。神使は連れて行けん。エミさんもここで待機や」
「わかりました」
エーミールは大人しくグルッペンの指示に従う。
不服な様子の神使たちだがそれが一番の解決策ならと引き下がった。
「必ず連れ帰るから、待っとるんやぞ」
そう言うと、グルッペンは歪みの中に消えていった。
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味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます！マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (
レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます！訂正致しました！ (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜！ (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです！次の更新が楽しみです！体調に気をつけてこれからも頑張って下さい！ (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月29日 21時
