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【後日談】よもつへぐい(2) ページ23

目が覚めた時、目の前には大きな扉があった。

こっちにおいでと誘われているかのように、扉が開き、背中を押すような風が吹く。

 


「なんというか…すごく冷たい風だな…」




Aはなんとなく、場所を察した。

これも半分神様になった影響だろう。

同時にこの扉の中には絶対に入らないほうがいいと身体が叫んでいるのも分かった。

しかし招かれたところを見ると入らなくても、大きな問題が生じそうだ。




「行くしかない…よね」




門をくぐると、しばらくは暗闇が続く。

松明で照らされた薄暗い道をまっすぐ進んでいくと、大広間のようなところに出た。

扉は音を立ててバタンと閉まり、静寂が辺りを包む。




「どなたかいらっしゃいませんか…」




Aがそう言うと、ボッとひとつの扉を照らすように松明の灯りが点いた。

灯りのついた扉をギィっと開けると、ふわりと食事の匂いが漂ってくる。




(あぁ…これは大分まずい…)




部屋の中はどうやら食事を摂るスペースのようで、大きな机にたくさんの料理が並んでいた。

どれもAが好きなものばかりで『歓迎ムードである』ということは伝わった。




「A様。ようこそお越し下さいました」




何処からともなく突然、着物を着た男が現れた。

人当たりのいい笑顔を浮かべており『死装束を着ている』という点を除けば至って普通の男に見える。



 
「私を招いたのは貴方ですか?」




男にそう問えば首を少しだけ傾けながら笑う。




「正確に言えば『私達』になりますね」




意味深な発言に眉を顰めると、男は深々とお辞儀をした。




「ようこそ黄泉へ。A様を心から歓迎致します」




目の前の男の他にも、たくさんの人に見られている。

そんな気がしながらAは案内された場所へ腰を下ろした。







 
・・・

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味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます!マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます!訂正致しました! (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜! (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです!次の更新が楽しみです!体調に気をつけてこれからも頑張って下さい! (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:味鈴 | 作成日時:2023年6月29日 21時

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