・ ページ13
「うーん…」
Aはというと、とある化粧品ブランドの前で眉を寄せていた。
ＢＡ(ビューティーアドバイザー)の意見も聞き２色までは絞ったが決めかねているらしい。
「実際塗られてみますか？」
「わ…いいんですか？」
Aは鏡台の前の椅子に座ると、緊張した面持ちでマスクを外す。
マスクを外すとソワソワした気持ちになるが自分が思っているより心配はなさそうだった。
ＢＡが迷っていた商品を持ってくると、それをチーノとショッピは少し離れたところで見つめている。
「こちらが迷われている口紅のお色です。まずはこちらから塗ってみましょうか。今塗っているもの、一度お取りしても大丈夫ですか？」
「は、はい」
一色目を塗ってもらう。
人気色だと聞いて手に取り、最後まで迷わせている色。
実際唇に塗っても浮くことがなく良い色味だった。
「やっぱり可愛いですね…」
「お似合いですよ。人気色ですから、使いやすいお色でもあります。ではもうひとつも塗ってみましょうか」
口紅を拭き取り、もうひとつの色を乗せる。
今度は素敵な色だと思って手に取ったもの。
唇に塗ってもらい鏡を見ると、少し離れてみていたショッピとチーノと目が合った。
「どうかな？」
口パクでそういえば、伝わったのだろう、チーノとショッピは近付いてきた。
「「絶対にそれがええ」」
「ふふ、お連れ様は見る目がありますね。私もそう思います」
にっこり笑ったＢＡと「可愛い」「綺麗」だと褒めちぎるチーノとショッピ。
恥ずかしくなったAは「もう大丈夫だよ」と頬を赤らめマスクをし直した。
「ではこちらのお色にされますか？」
「はい…お願いします」
恥ずかしすぎるとAは少し俯きながら、自由に使えと渡してくれたトントンからのお小遣いで購入をし百貨店を出た。
「Aさんほんま似合うなぁ。ちょっとこっち、もっかいマスク外して見せてぇや」
商品を購入したあと、チーノはAのマスクを下にずらし、クイっと顎を持ち上げる。
「へぇ、やっぱよお似合うなぁ。綺麗な肌がもっと透き通って見えるわ」
イチャイチャしている男女というのは大抵の場合見るに耐えない。
『家の中でしろよ』と思うことが多いのではないだろうか。
しかし何事にも『ただしイケメンに限る』という言葉が存在する以上、この行為も女性たちの視線を釘付けにするには充分だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 861人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
味鈴(プロフ) - 色樹さん» 色樹さん ありがとうございます！マイページに頑張らさせていただきます。 (8月12日 14時) (
レス) @page19 id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
色樹 - すごく面白かったです!体調を崩さないよう頑張ってください!!!!!! (8月5日 20時) (レス) @page7 id: 09f29be611 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - にこげさん» にこげさん 誤字報告ありがとうございます！訂正致しました！ (7月6日 20時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
にこげ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最新話のよもつへぐいが一部よもつべぐいになってますよ〜！ (7月6日 19時) (レス) id: 4a884aada1 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - 短編も面白いです！次の更新が楽しみです！体調に気をつけてこれからも頑張って下さい！ (7月5日 20時) (レス) @page22 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月29日 21時
