【d!】この神社の神様たち。【番外編】

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振興組合会長には事前にビラを渡し、商店街にあるお店にお願いしてビラを貼ってもらった。

幸い屋台などの出店は希望の連絡があり、人を集める準備だけは整った。

人を雇っていない我々神社では神使達がその祭事を行う。

ただし人に直接顔を見られる訳には行かず、彼らは面を被り人に紛れる。

面の形は半面の猫面。

分かりやすく言うのであれば、顔を全て覆うタイプの面ではなく、目から鼻までを覆う猫の顔を模した形の面だ。




「ほんまにやるんか？」




水色のアイラインが引かれた猫面を被ったコネシマが神社を出る前にとタバコを咥えている。

コネシマ以外も皆猫面を被っており、それぞれ個性のある面だった。




「もちろん。この先何十、何百年とこの神社に人が来続けてもらうにはこういうイベント事だって大切でしょ？」




いつも人前に出る時は巫女装束に袖を通すAも今日は美しい金の刺繍の施された白に近いクリーム色の着物を着ていた。

描かれている菊の花も大変美しい。




「Aさんほんま綺麗やなぁ。練り歩き終わったらそのまま一緒に散歩でも行きませんか？」




チーノがAの手を取る。

普段も神々しいが、人前に出るために着飾った目の前の人物はいつもの数倍美しく魅力的に見えた。




「みんなも素敵だよ。せっかく街へ下りていくんだから楽しもうね」




Aも同じく猫面を被る。
そしてさらに顔を隠すように、ベールを頭から被った。



　
「それじゃあ行こうか」




チリンと男達が鈴を鳴らす。

鈴の付いた杖を持った先頭のトントンと大先生に続き、真ん中にAと、それを囲むように他の皆が練り歩き、最後尾を同じ鈴杖を持ったチーノが歩く。

シャオロンとゾム、ロボロは許可された場所でビラをばら撒き、ショッピ、コネシマはAの手をそれぞれ取り、両サイドを歩く。



　

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