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「A…！ダメや！」
「大丈夫。信じて」
シャオロンの静止も聞かず、身体を小さく抱え込むゾムの前に視線を合わせるようしゃがみ込む。
Aが優しい声色で名前を呼ぶと、ピクリと肩が震えた。
「来ンナ…！来んな！！アっちへ行け…！」
「ゾムさん」
手を伸ばすと、パンっと払われる。
伸びた爪でAの手に傷ができた。
それでもAは小さくうずくまるゾムの肩に手を添える。
「落ち着いて息をして。大丈夫だから」
「お前に…！ぉ前ニ！何がワかる…！どうせスグ居なクなるくせに！人間なんて……大っ嫌イや…」
多くの人間を救った。
多くの人間に祈られた。
多くの人間を救った。
そして、多くの人間が去った。
それでも彼は人間を救い続けた。
彼はここにいる誰よりも、人間が大好きだった。
力が空っぽになるまで、戦い続けた。
結果、神堕ちの直前まで追い詰められている。
「私は…ゾムさんとちゃんと話せてないから、ゾムさんがどんな人だとかそういうのはよく分からない」
目を伏せながら、Aは続ける。
「でもひとつだけ。私、ゾムさんの好きなところがある」
うずくまるゾムを包むように、腕を伸ばして抱き締める。
「ゾムさん、私がいつも部屋の前までご飯を持って行くの知ってるよね？いつも全部綺麗に食べてくれてた。何を持って行っても。一度意地悪してね、コネシマさんにゾムさんの嫌いなものを聞いてわざと乗せたこともあった」
微笑んだまま抱き締めている姿を、他の皆は黙って見つめている。
「それでもゾムさんは、残すことなく綺麗に食べてくれた。『美味しかったよ』って言われてるみたいで…すごく嬉しかった」
ゾムはポロポロと涙を落としている。
Aのブレスレットは小さな光を灯し始めていた。
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味鈴(プロフ) - あいすみるくてぃーさん» ありがとうございます！好きに刺さったなら幸いです！気長にやっていきますのでよろしくお願い致します！ (6月5日 7時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
あいすみるくてぃー - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ好きです！続き楽しみです♪ (6月4日 0時) (レス) @page10 id: 371807440b (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 檸檬さん» わー！コメありがとうございます！気長にやっていきます！嬉しいです！ (6月3日 21時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (6月3日 20時) (レス) @page4 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月2日 21時
