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「ま、待ってコネシマさん！」
手を伸ばし、グッと俺の装束の袖を掴む。
そのまま立ちあがろうとする俺を座るよう指示をし、袖口から出てきたハンカチを傷口に強く当て縛り付けた。
「数日で治るって言っても、痛そうだから…」
咳をしながら俺の手当をするA。
こいつは本当に…言葉が正確かは分からんが『たらし』ってやつだな。
「こんなにええ女なのに、なんで元彼は振ってしまったんやろな」
そう言って手当をするAの頬にキスをする。
何が起きたかポカンとした表情の後、頬を押さえてバッと顔を赤くする。
「な、なんですか！」
驚きのあまりさらに咳き込んでしまうAの背中を撫でる。
「すまんすまん、ついな」
「ついでキスしないでください…！全く…！ここの神様たちは距離の取り方おかしいんですよ…！」
人間の常識を少し学んでください全員…！と顔を真っ赤にしながら文句を言うAに大きな笑い声が出てしまう。
「笑い事じゃ…！」
「A」
そのままAの顎を持ち上げるように掴む。
「コネシ…」
「静かにせぇ。今、大事なこと言うんや」
大きく見開かれた瞳は、こちらを伺うように真っ直ぐ見据えている。
俺はAの額にコツンと自分の額を当てる。
「俺も誓うわ、A。俺の命は、あんたに預ける」
せやから、俺は自分の命でもあるお前を、精一杯護ったるよ。
Aは目を細める。
額同士を合わせたまま俺の両頬を包むと、小さく微笑んだ。
「なんや、キスの一つでもしてくれるんか？ご主人」
「…ふふ、しない。でも嬉しいからありがとうって気持ちを沢山込めてるところ」
いつの時代だって、魔物から人間を護ってきた。
でもそれは『俺がその義務のために生まれた存在だから』というただそれだけの理由だ。
人間が特別好きだからとかそんな事はない。
でもAは…Aだけは、どんな犠牲が生まれても失いたくない、特別な人間なんだと感じる。
「そうか…なら目一杯込めときや…俺が満足するまでな」
襖の向こう側からは、シャオロンたちが復旧作業をしている音が聞こえる。
手伝わなあかんな…なんて、心の片隅で思いながらもう少しだけ、このひとときに溺れててもええやろと目を閉じ、Aの肩に顔を埋めた。
第四章 後日談【神様の神様】
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味鈴(プロフ) - あいすみるくてぃーさん» ありがとうございます！好きに刺さったなら幸いです！気長にやっていきますのでよろしくお願い致します！ (6月5日 7時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
あいすみるくてぃー - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ好きです！続き楽しみです♪ (6月4日 0時) (レス) @page10 id: 371807440b (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 檸檬さん» わー！コメありがとうございます！気長にやっていきます！嬉しいです！ (6月3日 21時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (6月3日 20時) (レス) @page4 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月2日 21時
