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「これからアイツの歩む道は険しい。俺も手助けをするが…お前も変わらず助けてやってくれ」
「…言われなくても。言ったでしょう。私も、そして貴方だって。彼女には恩がある。見捨てたりなんてしませんよ」
そう言ってエーミールは部屋を出た。
重たい扉がガチャリと音を立て閉まると、グルッペンは背もたれに身体を預け、パソコン内にあるデータを開く。
『アンドロイドである貴方がやることは、理不尽だと思った人間の指示に逆らっても良いってこと。全ての者を守ることが不可能でも、自分の手のひらから溢したくない者はしっかり守ってあげて』
自分を模したアンドロイドから取り出したデータに残っていた、Aとの会話の数々は今も大切に保管されている。
初めはネザースターの可能性に魅入られ研究を始めたところからだった。
作り上げていくうちに、より便利なものを、親しみが持てるものを、そして何より『人の助けになるようなもの』を作ろうとしていくうちに、どんどんと人間の形になっていった。
だからこそより精密に、燃料もまるで生きている人間の血のように赤色に染め、人という生き物に近付けてみた。
出来上がったそれは、自分でも驚くほど、まるで生きているようだった。
作り出したものが大きな戦争で使われることになったときは、多少嫌な気持ちにはなった。
だが所詮は機械とどこか割り切っていたのだ。
機械が、機械として、戦場に出る。
ふと、自分の作ったものがどんな働きをしているのか、人間がどんなふうにそれと接しているのか、きちんと機能しているのかが気になり、自分を模したアンドロイドを観察用に作り上げ、戦地に送った。
すると、びっくり。
それに自我が芽生えたのだ。
戦争という環境がそうさせたのか、それ以外のアンドロイドにも同じ自我の芽生えが現れた。
戦場において、アンドロイドの扱いは酷いものだ。
機械なのだから当然と言えば当然なのだが、使い捨ての駒であることは明白であった。
しかし戦場でAだけが、自我を得たアンドロイドを人間のように扱った。
傷付けば直し、壊れないよう、死なないよう、人間の兵士と同じように気遣った。
『あ…あぁ…やだ…あ……あああっ…！』
確実に彼女の精神を壊したであろう自分の形をしたアンドロイドの死。
彼の記憶は自動的にこのパソコンに送られるようになっており、これは最後の記憶だった。
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まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (
レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます。全て読ませて頂いております。お一人ずつお返事できずに申し訳ありません。次回作も更新致しましたら、どうぞよろしくお願いいたします。作品を見てくださり感謝を申し上げます。 (2月25日 23時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
がきんちょ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作も今作も読ませていただきました！味鈴さんの作品の世界観や設定等とても好きです(*´∇｀*)次回作、楽しみに待ってます！！ (2月19日 15時) (レス) @page35 id: e821c806fa (このIDを非表示/違反報告)
らて - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！このような素晴らしい作品に出会えたこと、完結まで見届けられたことすごく嬉しく思います！設定から世界観、文章表現もとても素敵な作品だと思いました。何度も感情移入してしまいました…！次回作も楽しみにしています！ (2月12日 19時) (レス) id: ec622eb312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年8月26日 20時
