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「うむ。うちもそろそろアンドロイド法のせいでぞんざいに扱われる彼らを救わなければと思っていたところだ。いい機会だし、Aをジャンヌダルクとして祭り上げるとするか」
「……私はAさんの生活がこれ以上脅かされることには反対です。いいじゃないですか、このまま静かに暮らしたって」
エーミールの言葉に「それはAが望んだ事か？」と問う。
その言葉に黙り込むと、グルッペンは続ける。
「随分とAに入れ込んどるな。まぁあいつは…なんや分からんけどアンドロイドを引き寄せるんやろうなぁ。大戦争でも、Aの部隊にいたアンドロイドが1番自我の発現が多かった。俺のコピーも含めて」
「まぁそんなところにも惹かれたんやけど」と、グルッペンはくるりと椅子を回し立ち上がる。
国内のどの建物より高く作られた窓から見える景色は、まるでジオラマを見ているようだ。
「感情が生まれるきっかけってのは俺もよく分からん。でも、人間だって同じだぞ？俺だっていつから『自分のことを自分だ』と認識したかなんて分からんからな」
「哲学ですか？」と腕を組むエーミールは確かにアンドロイドで、ため息をこぼしながらグルッペンのパソコンに自身のデータ送信を続けている。
「俺がアンドロイドの生産をストップさせれば困るのはこの国やからな。Aが堂々と街を歩けるよう少しメディア操作はしよう」
「人間が私達に歩み寄るとは思えません。こちらのエラーだのバグだので丸め込まれるのがオチなのでは？」
その言葉にグルッペンは笑う。
「そうやろな。だが、一度味わった楽を捨てられないのもまた人間だ、俺も含めてな。これから進化していく未来の中で、歩み寄らないといけない瞬間は必ず来る。何百、何千年先になっても」
せやから、その最初の一歩をアイツにくれてやろう。
そう言ってグルッペンは端末で通話を始める。
「すぐに記者会見用のアンドロイドの準備を」とだけ伝えると再び椅子に座り直した。
「あぁそうだ、エーミール」
部屋を去ろうとした背中を呼び止める。
振り向いたエーミールは「なんですか」と言わんばかりの表情だけ浮かべている。
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まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (
レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます。全て読ませて頂いております。お一人ずつお返事できずに申し訳ありません。次回作も更新致しましたら、どうぞよろしくお願いいたします。作品を見てくださり感謝を申し上げます。 (2月25日 23時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
がきんちょ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作も今作も読ませていただきました！味鈴さんの作品の世界観や設定等とても好きです(*´∇｀*)次回作、楽しみに待ってます！！ (2月19日 15時) (レス) @page35 id: e821c806fa (このIDを非表示/違反報告)
らて - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！このような素晴らしい作品に出会えたこと、完結まで見届けられたことすごく嬉しく思います！設定から世界観、文章表現もとても素敵な作品だと思いました。何度も感情移入してしまいました…！次回作も楽しみにしています！ (2月12日 19時) (レス) id: ec622eb312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年8月26日 20時
