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「待ってください…奥様は確かご病気で…」
「そうだ。『休んでいるだけ』だ」
映し出されるたくさんの写真。
その中には生前の写真もあり、満面の笑みを浮かべ幸せそうに花束を持つ美しい女性の姿があった。
「まさか……奥様を…」
「……私の妻は…」
目を細めた男は、思い出話だと語り出す。
男の妻は美しい人だった。
しかし、生まれつき病弱であり外へ出られる機会も限られていた。
戦争が起こった際、男の気掛かりは妻だけだった。
そして、妻の気掛かりもまた、男のことだった。
『どうか生きて帰ってきてくださいね』
ベットの上で妻は心配そうに男を見つめる。
『前線に出るのはアンドロイドばかりだ。なに、心配いらない。そんなことより君の身体のほう心配だ。最近あまり調子が良くない』
身体の半分だけ起こしている妻は『大丈夫です』と微笑む。
『貴方が帰ってくるまでにうんと良くなるように頑張ります。帰ってきたら貴方の好物を作りますね！』
約束と言って差し出された薬指に自身の指を絡める。
男は大将という立場だ。
冷静に物事を判断し、時に冷酷な判断も下さなければならない。
だが、妻の前だけは、自分自身のままでいられた。
男は、妻を誰よりも愛していた。
そんな妻の訃報が届いたのは、戦争終了間近のことだった。
約束は叶わず、そして、男は途方に暮れた。
葬儀をという親族の全て無視し、男は『妻はまだ死んでいない』と自宅に人体用の冷凍庫まで揃え、妻の身体を保存した。
こんな時代だ。
必ず妻を救う方法がある。
そう信じて疑わなかった。
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まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (
レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます。全て読ませて頂いております。お一人ずつお返事できずに申し訳ありません。次回作も更新致しましたら、どうぞよろしくお願いいたします。作品を見てくださり感謝を申し上げます。 (2月25日 23時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
がきんちょ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作も今作も読ませていただきました！味鈴さんの作品の世界観や設定等とても好きです(*´∇｀*)次回作、楽しみに待ってます！！ (2月19日 15時) (レス) @page35 id: e821c806fa (このIDを非表示/違反報告)
らて - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！このような素晴らしい作品に出会えたこと、完結まで見届けられたことすごく嬉しく思います！設定から世界観、文章表現もとても素敵な作品だと思いました。何度も感情移入してしまいました…！次回作も楽しみにしています！ (2月12日 19時) (レス) id: ec622eb312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年8月26日 20時
