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縛り上げた男の応急手当てに来た大先生は、出血で死なないようにと処置が終わると立ち上がる。
床に視線を落としたままの男の目は焦点が合っておらず、何も言葉を発さなくなった。
その様子は相変わらず生放送という形で行われており、Aはその場にいる全員に指示を出す。
「私達はもう行こう」
今回の一件で、軍内部は大幅な改革が行われるであろう。
積もり積もった民衆の不満はすでに軍施設に流れ込むという形で始まっている。
しばらくは暴動が続いてしまうであろうことは予想の範囲内だった。
自分の正義を貫けば争いが生まれる。
これは覚悟していたことだった。
「……よかったんか？これで」
赤燃料が流れる腕を適当な布で縛ったロボロの問いにAは頷く。
「…これしかなかった…そう思いたい。私達が革命軍になるか、反逆軍になるかはこの国に住む人が決める。お天道様の下で自由に生きるってのは…やっぱり先の話になっちゃう。こればっかりは謝らなきゃ、みんなに」
この生放送を見てさまざまな憶測や意見がネットに溢れることだろう。
軍内部の状況だけではなく、アンドロイドの在り方についてもだ。
ショッピくんの様子も放送され、人々はより身近になった彼らのことを考え、どう扱うべきかを嫌でも考えさせられるはずだ。
それでいい。
まずは考え始めること。
それが叶うなら、これは大きな一歩だ。
「……軍人が口封じに来るとまずい。手発通りにいこう」
Aがカメラをじっと見つめる。
そこにピントが合ったところで、ブツンと生放送が終わった。
放送をジャックしていたシャオロン、トントンから通信が入る。
『逃走経路はエミさんからの地図が届いとるな？西の墓場を抜けて国境沿いで合流するで』
「了解」
重い扉を開け、室内から出ようとしたところで動けないよう縛り上げられた男に呼び止められる。
振り向いたAは無表情のまま見つめた。
「妻を生き返らせたかった……それだけだった…それだけが…生きる意味だった……」
「………」
男の言葉にただ黙って耳を傾ける。
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まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (
レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - すごく面白かったです！次回作に期待まってます(*^^*) (4月30日 21時) (レス) @page35 id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます。全て読ませて頂いております。お一人ずつお返事できずに申し訳ありません。次回作も更新致しましたら、どうぞよろしくお願いいたします。作品を見てくださり感謝を申し上げます。 (2月25日 23時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
がきんちょ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作も今作も読ませていただきました！味鈴さんの作品の世界観や設定等とても好きです(*´∇｀*)次回作、楽しみに待ってます！！ (2月19日 15時) (レス) @page35 id: e821c806fa (このIDを非表示/違反報告)
らて - 初コメ失礼します。完結おめでとうございます！このような素晴らしい作品に出会えたこと、完結まで見届けられたことすごく嬉しく思います！設定から世界観、文章表現もとても素敵な作品だと思いました。何度も感情移入してしまいました…！次回作も楽しみにしています！ (2月12日 19時) (レス) id: ec622eb312 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年8月26日 20時
