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女性が近づいてくるのを見計らって彼に声をかけた。
大声を出さなくても自然に2人に聞こえる程度、我ながら完璧なタイミング。
｢もー、ユウヤくん、洗剤買ってきてって言っただけなのに、なんでこんなに大荷物なの？｣
｢え？｣
｢え？じゃない、いつもそうなんだから！私たちまだ大学生だよ？学費の支払いだってあるし節約しなきゃ｣
｢…ごめんね。休日は買い物のこと考えないで、2人でゆっくり過ごしたかったから｣
男の人の実年齢は知らないが、この容貌であれば大学生だと言っても通るであろう。
あくまでも、"大学生カップル"を貫き通そうとする私の意図を彼は理解したようだった。
すかさず私の右腕に抱きつき、女性たちがやってくる左側から自然に顔を背ける。
｢え？彼女の方、大学生って言ってない？｣
｢"ユウヤ"って呼んでたよ。あーあ、人違いじゃん｣
なーんだ、つまんないね、とぶつぶつ呟きながら帰っていく女の人を見届けた。
｢もう大丈夫ですよ｣
｢ほんっっとうにごめんなさい！ごめんなさい！｣
声をかけると男の人は飛び退いて、私に向かって何度も深くお辞儀し始めた。
｢通報されても言い訳できないですよね、でもこれには深い訳があって。
あれ？でも言い訳できないんだから聞いてもらえないですよね、うわ〜〜んもうだめだ…｣
両手で頬を挟んだまましょんぼりと項垂れている男性を慰めようと、微笑みかける。
｢大丈夫ですよ、こちらが始めたことですから。えっと…｣
演技が終わった以上、彼をユウヤと呼び続ける訳にはいかなかった。
私が言葉を濁らせていると、ハッとしたようにこちらを見て、きらきらの笑顔で笑った。
｢こうちゃんです。皆からはそう呼ばれてます！｣
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夜子(プロフ) - わらべさん» わらべ様、初めまして。お読み頂きありがとうございます^^ そう言って頂けると更新のしがいがあります、嬉しいです。ぜひこれからも宜しくお願い致します。 (2021年4月20日 19時) (
レス) id: a4f711fe65 (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - 初めまして。作品楽しく読ませていただきました！丁寧に練られたウイルスの設定が本当に面白くて…！これから先どうなるのか楽しみに待っております。 (2021年4月18日 22時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜子 | 作成日時：2021年4月17日 14時
