Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ8)

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８.魔法生物飼育学③ ページ8

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

先生と怪我人を待つ間、生徒達の騒めきは治らない
ヒッポグリフ2頭も心無しか落ち着きが無い

ﾊﾟﾁﾝｯ

『少し、お静かにしてもらえるかしら』
クロウが指を鳴らし、そういうと皆、静かになる
現に今、ヒッポグリフ2頭を落ち着かせているのは
クロウ本人だからだ

『(マズい事になったわ…
これを知ったルシウスが何をするか)』
クロウはドラコを傷つけてしまった
ウィザウィングスへの処罰の心配をしていた

「クロウ凄いね…2頭とも落ち着いてる…」
「クロウのお父様は有名な魔法動物学者だもの
父親譲りなのよ、きっと」
ハリーとハーマイオニーはその様子を見て感心する

ﾀﾞｯ

「みんなすまねぇ…今日の授業はここまでだ」
教科書を忘れるなよ、と他の生徒を返すハグリッド

ｿﾞﾛｿﾞﾛ

そして、生徒達は森を出て行く―

「クロウ、すまねぇ…」
『私は何もしてないわ、ドラコには謝った？』
「あぁ、あとはマダム・ポンフリーに任せて来た」
ハグリッドはクロウに対し頭を下げている

「これじゃどっちが先生か分かんないよ」
ロンは肩をすくめている

『ドラコも心配だけれど、彼も彼で悪いところがあるわ
それより、ハグリッド、私が言いたい事分かる？』
「…」
ハグリッドは答えづらそうに口を結ぶ

『私は貴方にこの子達を紹介してもらった時、
5年生とか相手かと思っていたのに
まさか、まだ慣れていない3年生相手だとは思わなかったわ
そこの3人が貴方のお友達で、初めての授業で、
舞い上がっていたのは分かるわ
でもね、もし、この子がドラコを殺してしまっていたら…』
眉を下げ、悲しそうな顔をするクロウ

『貴方は今度こそアズカバン送りになるわ
それに、今回の件をルシウスが知ったらこの子は…』
ウィザウィングスを撫でるクロウ

「どうなっちゃうの…？」
ハリーがつい口を挟んでしまう

『…処刑されるわ、きっとね』
クロウがそういうとウィザウィングスはクロウへと擦り寄る

「なんてこと…」
ハーマイオニーは顔を青ざめる

『けど、私もお父様もそうはさせないから、安心して欲しいわ
けれどハグリッド、次からはちゃんと
学年に合った魔法生物を選んでちょうだい』
私は貴方の授業受け続けたいの、とクロウは言う

「分かった…クロウ、気を付ける…」
『友人として注意させて貰っただけよ
これからも授業楽しみにしているわ、先生』
クロウはそう言い微笑みかける
ハグリッドも感謝しきれない様子だった―