【D!】ダメ人間と堕天使執事【tn】 (ページ38)

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○ ページ38

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　「ねぇ、トントン」

帰り道、行きと同じ鉄道で、同じ席に座る

夜は明けて、朝独特の涼しく澄んだ風が頬を撫でた

隣にトントンが居るだけでこんなにも世界が変わるんだなぁ、と宿主が教えてくれた感情を再確認する

Tn「どうしたん？」

ごめんね、と呟くと、俺もすまん、と声が小さく返ってくる

　「あのさ、トントンとずっと前から読もうと思ってた本があるんだけどさ」

そう言ってグル兄の作った本を出す

Tn「グルさんの作った本か？」

　「あ、もかしてもう読んじゃった？」

渡されて随分経つし、もう読んでて当然か

そう思い、トントンの方から目を反らす

Tn「いや、読んでへんで」

　「ホンマ？！？！」

ｶﾞﾊﾞｯと振り向いてトントンを見ると、面白そうに笑われた

そんな笑わんくてもええやん、という声も今は出さなかった。

だってそれで幸せなんだから

それじゃあ読むか、と嬉しそうに笑うトントンに私も笑い返して、本を開けた

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昔々、＿＿＿＿と言いたいところだがこれは最近の出来事である

この本を読んでいる読者諸君には大切な人が居るだろうか？

まぁ私にも大切な人が勿論居る

大切な、妹と親しい友人達がな

話を戻すがもし、その大切な人と離れないといけなくなった場合君達は何をするだろうか

もし、大切な人が自分のセイで何かがあったらどう思うだろうか

今から話す話は、実際にあった、私の大切な妹と大切な友人の話である＿＿＿＿＿＿

(そこからはツラツラと物語が書かれている)

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物語の終盤、まさにこのシーンにきた頃に、トントンが本を閉じた

　「あとちょっとで読みきれたのに！！！」

Tn「落ち着け、落ち着け、窓の外見てみぃ。もう着くで」

窓の外を見ると、確かに私の家が見えた

それから、開いた窓から身を乗りだし乱れる髪の毛もお構い無しに、近づいてくる私の家に叫ぶ

　「ただいま！！！！！！！！！！！」

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