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ﾌﾟﾁｯ、ﾌﾟﾁｯ
ボタンが一つずつ取られていく
コロン、と転がったボタンを見て、視界が更に滲む
こんなところで人生終わって堪るかよ、
悔しさと恥ずかしさと焦りが混ざり、今にも発狂しそうで、苦しい
暴れて抵抗をするも、男の力に勝てるはずがなく、逆に笑われるだけ
胸元の下着ははだけて、あの腕を触られた気持ち悪い手が胸にも侵食してこようとする
嗚呼、もう駄目だな
そう悟った時、ｶﾞｷｨｨｲﾝｯ、と凄い音を立てて上に居る男の横に見慣れた剣が突き刺さる
？「おい、俺ん所の姫に何手ぇ出しとんねん」
そう言った後に、目の前の男は壁に吹っ飛んでいく
そして視界に映ったのは、薄暗い路地裏でもはっきりと存在を主張できる程の炎の色をした目
「トントン」
彼が巻いている赤いマフラーの裾が私の頬を撫でた
Tn「説教は後や、取り敢えずお前着替えろ」
その服、もう使い物にならんやろ
そう言って暖かそうな白いニットと赤いロングスカートを渡され、トントンは後ろを向いた
別に後ろ向かんくてもええのに、なんて言うと、男をからかいません！！！と言われた
助ける時も、恥ずかしさを我慢していたのだろう。トントンの耳は真っ赤だ
着替えたよ、と声を掛ければ、取り敢えず早く此処から出るで、はぐれんなよ、と言いながら手を繋がれる
久し振りというほどでもないが、トントンは相変わらずだが世話焼きで、何処か安心した
Tn「なぁ、A」
「何？トントン」
少し寒くなり、トントンの方にすり寄るとびっくりしたように少し離れられる
そこまでされるとやはり悲しい。
だがトントンはそれにもお構い無しに話を続けた
Tn「コネシマから話、全部聞いたわ」
その言葉にばつが悪くなり、まだ打ち上がっている花火を見上げる
Tn「別に俺はAがダメ人間でも、ええと思うし、俺はAが邪魔だなんて一粒も思ってへんからな」
でも！と叫ぶと、話くらい聞けや！と大声で返される
Tn「ええか？ダメ人間やとか、どうでもええねん」
秘書にもならんつもりやし、またAの専門執事になるつもりやで
その言葉に私は笑みを溢した
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作者名：油揚げ狐(神南人) | 作成日時：2020年9月15日 8時
