3年前のお話 ページ5
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｢あの、ロボロ…様、｣
｢ちゃう。ロボロ｣
｢ロボロ……さん｣
｢ロボロやって｣
｢うぅ…｣
ロボロ様と付き合い始めて約二年。今更、と言えばそうなのだが、私は今呼び捨ての練習をしている。
珍しく雑面を外したロボロ様が、私の目の前でスパルタ教師の如く指摘しまくるのだ。怖いなんてものじゃない。
｢あのな、A。俺らはもう付き合って二年や。いい加減慣れてくれ｣
｢うぅ…無理なものは無理だよぉ…｣
｢…そんな可愛く言ったってダメ！敬語は外せたんやしいける！それに早く呼び捨てで呼ばれたい！｣
目の前でわーわーと何か叫んでるロボロ様を一瞥し、私は俯いた。
｢………ロボ、ロ……｣
恥ずかしい。凄く恥ずかしい。今すぐ様かさんを付けたい。
｢…？｣
暫く俯いていると、ロボロ様の返事がない。どうしたのだろう。ちらりと顔を上げた。
｢……っ、A、やれば出来るやん…｣
そこには顔を真っ赤にさせて慌てて外していた雑面を探すロボロ様がいた。あれ、可愛い。なんて思った私の心には悪戯心が芽生えてて。
｢…ロボロ、照れてるの？｣
｢そ、そんな訳ない！｣
｢へぇ…そんなんだ、ロボロ？｣
｢う、うぅ…恥ずいわ｣
何だか勝った気分で、私はロボロの頭を撫でる。正直身長はあまり変わらないので撫でやすいのだ。
｢…大好きやで。A｣
｢…私も。大好きだよ、ロボロ｣
未だ大人しく撫でられているロボロににこりと笑いかける。
これからも、ずっと一緒にいられますように。
そんな事を思いながら、そっと頭から手を離した。
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作者名：雪うさぎ | 作成日時：2019年5月11日 21時
