【wrwrd】遠い君の藍色は【ロボロ】 (ページ3)

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8年前のお話ページ3

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｢ロボロ様。この資料出来ました｣

｢おお、ありがとう｣

今日も今日とて、出来上がった資料を情報機関代表の幹部であるロボロ様へと渡す。

この作業にも慣れたものだ。なんたって、もう二年近くもこの軍に置いてもらっているのだから。

｢えーっと～…うん、大丈夫やで！ありがとうな！｣

ロボロ様は、顔に付けている天という文字が書かれた雑面をめくり、にこりと笑った。私よりも年上の筈なのに、その幼さの残る顔にドキリとしてしまう。

｢いえ…、それでは失礼します｣

｢おん！またなんかあったら来てな！｣

はいと返事を返し、情報管理室から退室する。まだドキドキとする心臓を何とか落ち着かせ、私は自室へと向かった。

…私はロボロ様が好きだ。

私が幼い頃に蔑まれる原因となったこの目を、ロボロ様は綺麗だと言ってくれた。この黒に近くて醜い青色を、綺麗だと言ってくれたのだ。

その言葉を聞いて胸が高鳴ったのをよく覚えている。そんな事を言ってくれる人なんて、初めてだったから。

｢…はぁ、どうしたらいいのかな…｣

｢どうしたん？｣

｢いえ、ちょっと…て、え？ロボロ様？｣

ぼんやりとしていた所を話しかけられ、振り向くとそこにはロボロ様がいた。さっきまで情報管理室に居た筈なのに、と目を見張ると、ロボロ様はふふと声を漏らす。

｢んふふ、やっぱAさんに用があってな｣

｢え、私にですか？｣

｢おん。…これ、プレゼント！｣

そう言ってロボロ様は私の背後に周り、首に何かを付けた。後ろから付けられているため何が付けられているのか分からずもどかしい。

｢…何を付けてくれたんですか？｣

｢秘密やで。部屋戻って鏡確認してみ？｣

｢鏡…？｣

私が首を傾げると、ロボロ様は再び、んふふと笑ってじゃあな～と去っていった。

再び首を傾げ、訳が分からないまま自室に戻ってドレッサーの前へと座る。すると光に反射して輝く何かに気が付いた。

｢……わぁ、可愛いネックレス…！｣

私の首に付けられていたのは、ピンク色の宝石が埋め込まれた可愛いらしいネックレスだった。

シンプル且つ綺麗なデザイン。完璧に私好みだ。

｢…嬉しいなぁ｣

そっと、優しくネックレスに触れる

…神様。もしも。もしも許されるのなら、

｢…私のお願い、叶えて下さい｣

きらり。再びネックレスが輝いた気がした。