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「──でね、そこで回復かけてっつったら、自分じゃなくておれに回復使ってんの。いやいや、死にかけなのは知念のキャラだから!って」
「あれは普通に涼介の指示が悪いんだよ。主語言わないとか紛らわしすぎだから」
「出た。すーぐおれのせいにする。この前のオン対戦もさあ……」
レモンサワー片手に熱く議論を交わす二人……というか、主に山田。
おまえそんなにいっぱい喋れたんだ…って驚きだけど、知念は普通に相手してるから通常営業なんだろう。
話題は最近ハマってるゲームのことらしく、
陣形がどうの魔法のタイミングがどうのって、そのゲームをやってないおれにはなにがなにやら。
「だからぁ、純粋な攻撃力よりフィールドに合わせた特殊効果の方が重要で、」
「分かったってば。ていうかいのーちゃんこの話分かんないよね?」
「え、あー…まあ。でもいいよ、楽しそうだし続けたら?」
なんて年上ぶった対応したけど、つまんないとかそういうのは置いておいて、この場におれいる?って気はしなくもない。
そういえば、ときょとんとしてる山田を横目に、まだ一杯目のハイボールを一口飲む。
氷が溶けたせいで、薄くてまずい。
「涼介のゲーム話なんか、電話でもほぼ毎日聞かされてるからもういいんだよ」
「まいにちでんわ」
思わずおうむ返しして、ちらりと山田を見る。
目が合った山田は「別に毎日はしてねえよ!」と無駄におっきな声で否定したけど、
「ほぼって言ったでしょ」とうるさそうに知念に一蹴された。
「いやほんと仲いいよね。すげー」
「お互い友達少ないからね。あ、でもそうだ、涼介最近いのーちゃんにやたらくっついてない?」
「…え」
「昨日もぼくを追い出してまでいのーちゃんといようとするしさ」
どういう風の吹き回し?
首をかしげる知念に山田が分かりやすく動揺してる。
どうしよ、って目でおれに助け求めてくんの。知らないよ。
「前は伊野尾ちゃんのこと避けてたくせに」
「え、おれ避けられてたの?」
「なに考えてるか分かんないとか、どう接していいか分かんないとか、ぐちぐち言ってさあ」
「へえ……」
再び山田を見ると、気まずそうにどんどんちっちゃくなっちゃって。
別に…とか、そこまで言ってない…とか言い訳してるけど、声が小さすぎて知念の耳にも入ってない。
仕方ないから助け船出してやるか、と身を乗り出した時、
「案外、付き合っちゃってたりしてね」
知念がさらりと爆弾を落とした。
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ひとみ(プロフ) - 泣くないのちゃんもこれも大好きすぎて3ヶ月に1回くらい読みにきてます笑 この続きもめちゃくちゃ気になるので続きをお願いします!! (2021年11月27日 17時) (レス) @page36 id: e39657dd30 (このIDを非表示/違反報告)
荒川 - めちゃくちゃ好きです!!!続きをお願いします泣 (2021年10月26日 5時) (レス) id: f6705dec1d (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - どうしよう!キュンキュンしすぎて叫び足りないんですけど!好きです!あと10回見てきます!!*\(^o^)/* (2020年2月6日 23時) (レス) id: 8271c7e9a0 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんは。いのちゃんが山ちゃんを好きになってる感じでニヤニヤしちゃいます。早くいのちゃんが恋に気付くといいなーと思ってます。 (2020年2月6日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
あまなつ(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてなによりです!これからも更新がんばりますね! (2020年2月6日 22時) (レス) id: 8c441c3d0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまなつ | 作成日時:2020年1月5日 12時