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「いま何時！？えっここどこ！？うわ頭いてえ！！」
朝食代わりのコーヒーを淹れ、テレビでもつけようかとリモコンを手にすると、ソファーで眠っていた山田が跳ね起きた。
目覚めの第一声から、あまりの大混乱っぷりに思わず笑ってしまう。
「おはよ」
「おは、え、いのおちゃ……ぇ…？」
「よく眠れたみたいでよかった。ソファーでごめんね。山田の筋肉重くてベッドまで運べなくってさ、身体痛くない？」
「え、あ、大丈夫だけど……あの、ここ…もしかして、」
うん、おれの家だけど。
わざとにっこり笑って告げると、「ぎゃっ！」って叫んで山田は毛布の中に引っ込んだ。
いや、ぎゃっ、ってどういう反応よ？
「おれ昨日なんか…した、よね…？」
毛布から目元だけちょこっと覗かせて、おそるおそる聞いてくる山田。
おれが答えなくても、何かしら大失態をやらかしたことだけは自覚があるみたいで「ごめんなさい…」としおらしく謝ってくる。
「いいよ別に。面白かったし」
「…最悪。もう最悪だ……」
「いいっつってんのに」
地の底まで落ちたテンションに笑うと、山田はやっぱり毛布に隠れたまま、ちらりと上目遣いでおれを見た。
「……伊野尾ちゃんにはダセえとこ見られたくなかったのに」
すっかり自信喪失しちゃって、雨に濡れた捨て犬みたいになってる。
昨日の勢いはマジでなんだったんだよ。別人？ってくらい。
ますます可笑しくなっちゃって、おれはコーヒーを置いてソファーへと近寄った。
なに？ほっといてよ、って言ってくるのを無視して、毛布越しにじっと山田を見つめる。
「山田、キスする？」
「へっ？」
ぱち、ってどんぐりみたいに目が丸くなった。
「な、な、なに、いきなり」
「舌入れるやつ、したいんじゃないの？」
覚えてないかなーとも思ったけど、数秒後、山田が大噴火した。
「な、ぁ、そ、きっ……！！」
「いや分かんねーよ」
口パクパクさせて、毛布も取り落として悶絶してる。
エビみたいに丸くなって、もう面白いのなんの。
ほんとに見てて飽きない。
山田と付き合ってから、なんかね、おれけっこう楽しいよ。
そんな気持ちがふいにこみ上げてきて、山田がしたいならキスくらいしたっていいよって、けっこう本気で思った。
だけど山田ってばやっぱ真面目だから。
「……キスは、伊野尾ちゃんがおれを好きになるまでしないから」
じゃあ一生できないかもね、って軽口は何故か今日は出てこなかった。
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ひとみ(プロフ) - 泣くないのちゃんもこれも大好きすぎて3ヶ月に1回くらい読みにきてます笑 この続きもめちゃくちゃ気になるので続きをお願いします！！ (2021年11月27日 17時) (
レス) @page36 id: e39657dd30 (このIDを非表示/違反報告)
荒川 - めちゃくちゃ好きです！！！続きをお願いします泣 (2021年10月26日 5時) (レス) id: f6705dec1d (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - どうしよう！キュンキュンしすぎて叫び足りないんですけど！好きです！あと10回見てきます！！*\(^o^)/* (2020年2月6日 23時) (レス) id: 8271c7e9a0 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんは。いのちゃんが山ちゃんを好きになってる感じでニヤニヤしちゃいます。早くいのちゃんが恋に気付くといいなーと思ってます。 (2020年2月6日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
あまなつ(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてなによりです！これからも更新がんばりますね！ (2020年2月6日 22時) (レス) id: 8c441c3d0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまなつ
| 作成日時：2020年1月5日 12時
