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一通りの茶番が終わって、大ちゃんが他のメンバーのところにいっても、山田は座ったまま動かない。
さすがのおれも、そんな注目されてちゃやりづらいんですけど。
「もー。マジでどっか行けよ。ほら、愛しの知念ちゃんが待ってるぞ」
「伊野尾ちゃんこそ、早くそれ答えなよ」
なんだかいい回答も思い浮かばなくて、空欄にしたままのさっきの質問。
丸い指先でとんとんとその質問を叩く山田は、意地でもここから動かなそうだ。
「もうほんとに山田のことでも書こっかなぁ…ファンも喜びそーだし」
女の子って、メンバー同士がイチャつくの本当に好きだよね。
山田こそ、そういう需要一番把握してるんじゃないの？って笑ってみせると、山田は頬杖ついておれの目をまっすぐに見た。
「おれ、伊野尾ちゃんの本当の答えが知りたい」
あまりに純粋な目で見てくるから、ふざけるのをやめてため息をつく。
「本当もなにも、恋したことないって言わなかったっけ」
「したことなくても、理想くらいあるでしょ」
「別にねーよ」
それが分かったら苦労はないっつーの。
ペンを放り出し、投げやりに肩をすくめるおれに、それでも山田はめげない。
じゃあ…ってむしろ前のめりになってきた。
「いまから考えてみよ。二択で聞くから、伊野尾ちゃんはそれに答えて。まず、髪は長いのと短いの、どっち？」
いきなりめんどくさいこと言い出したけど、真剣な表情をむげにできなくて、「…短いの」と渋々答える。
「ショートヘアね。じゃあ黒髪と茶髪なら？」
「似合ってりゃどっちでもいいよ」
「大人しい子と明るい子」
「四六時中元気なのは疲れる」
「インドアとアウトドア」
「行きたいとこは別に一人でも行くから好きにして」
「スレンダーかグラマラス」
「抱き心地いいのが好き。次から次によく思いつくね」
息つく間もなく出てくる質問に呆れ笑いを浮かべれば、山田は眉を下げて微笑む。
そのまま誰も見てないのをいいことに、机に投げ出したおれの服の袖を指先でそっと掴んだ。
「なんでだと思う？」
今度は子どもみたいな笑顔で首をかしげてとぼけてみても、その瞳を見れば答えは一目瞭然だ。
やっぱり眩しい星がきらきら、ちかちか。
「……おれのこと、好きだから」
うぬぼれみたいな台詞も、その瞳に言わされたようなもんだから。
「そう、正解」
これ賞品ね、と渡されたシュークリームは奥歯がしみるほど甘くて、思わずおれも笑っちゃった。
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ひとみ(プロフ) - 泣くないのちゃんもこれも大好きすぎて3ヶ月に1回くらい読みにきてます笑 この続きもめちゃくちゃ気になるので続きをお願いします！！ (2021年11月27日 17時) (
レス) @page36 id: e39657dd30 (このIDを非表示/違反報告)
荒川 - めちゃくちゃ好きです！！！続きをお願いします泣 (2021年10月26日 5時) (レス) id: f6705dec1d (このIDを非表示/違反報告)
inuneko(プロフ) - どうしよう！キュンキュンしすぎて叫び足りないんですけど！好きです！あと10回見てきます！！*\(^o^)/* (2020年2月6日 23時) (レス) id: 8271c7e9a0 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - こんばんは。いのちゃんが山ちゃんを好きになってる感じでニヤニヤしちゃいます。早くいのちゃんが恋に気付くといいなーと思ってます。 (2020年2月6日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
あまなつ(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてなによりです！これからも更新がんばりますね！ (2020年2月6日 22時) (レス) id: 8c441c3d0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまなつ
| 作成日時：2020年1月5日 12時
