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side.K
***
「で、そのままズルズル流されちゃってんの？」
「いのちゃん最低じゃん！」
丸い目をさらに丸くした知念と、でっけー声をさらにでっかくして言葉の刃で刺してくる大ちゃん。
いやもう、返す言葉もございません……。
「ちょっと大貴！いのーちゃんにひどいこと言わないでよ」
ありがとう知念、でも庇われるほど逆につらいです。
ほんとにね、おれもまじでどうかしてると思う。
月曜日を控えた日曜の夜、
二人も忙しいだろうに、いくら学生時代からの旧友だからってわざわざ家まで呼び出して、こんな話するなんて。
「てかそれをおれらに相談する神経がすげーわ。さすがいのちゃん、図太いよね」
ぐび、と缶ビールを煽りながら感心してる大ちゃんにうなだれる。
「だって他にこんなこと話せる人いねえし…」
「一応おれら、山田とも友達なんだぞ。めちゃくちゃ気まずいわ」
「とか言って大貴めちゃくちゃ楽しそうだよ。大貴のほうが最低だから安心して、いのーちゃん」
「底辺争いで勝っても嬉しくないよ知念…」
「勝手に人を底辺にすんな！」
スパーン！と丸めた雑誌で頭を引っぱたかれて、ひどい！と反射的に顔を上げた。
なんだよ！言い出しっぺは知念なのに！
知念がおれに甘い分、大ちゃんは知念に甘い。
【知念→おれ→大ちゃん→知念】って図式は学生の頃から変わらずで、
綺麗に完結したこの三角形に山田がよく拗ねていたことを思い出し、無駄に胸が痛む。
「だってさぁ…裕翔だよ？なんか、こう、むげにできない……」
「いのーちゃんずっとその後輩のこと可愛がってたもんね」
「……顔も好みだし」
「おいいま顔がタイプって言ったよこの人」
「いのーちゃん面食いだもん。仕方ないよ」
「仕方ないかなあ！？」
いちいち大声の大ちゃんを放置して、よしよし、と頭を撫でてくれる知念は癒しでしかない。
おれのオアシスだ。
「で、ぶっちゃけどこまでやっちゃったの？そのユウトくんと」
「……キスまで」
「デートは」
「週に一回くらい……」
「山田より会ってんじゃん！！」
「うぅ……っ」
言わないでそれを！
心に刺さりまくる言葉に、おれはカーペットに倒れ伏す。
拍子にポケットからこぼれ落ちたスマホのなかに、山田と裕翔からのメッセージ、どちらが多いのかを考えてまた泣きたくなった。
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komikku(プロフ) - とても面白かったです〜！続きが気になります☆お待ちしてます☆ (2020年6月5日 8時) (
レス) id: 4ae5ae8e00 (このIDを非表示/違反報告)
あまなつ(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます！三者三様、100%の善人は出てこない重めのお話になるかと思いますが、ぜひ今後もお時間のあるときにお付き合いくださると嬉しいです。 (2020年1月5日 23時) (レス) id: 84a58c20c8 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 新作、おめでとうございます。今後の3人の展開がとても気になります。更新楽しみにしています。 (2020年1月5日 12時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまなつ
| 作成日時：2020年1月1日 12時
