86 貴方side ページ6
土曜日。
大阪桐生高校との練習試合だ。
降谷と沢村、二人で一試合、まずは降谷先発でスタートする。
結果としては、降谷が強豪校相手についにその才能を覚醒させ、将来のエースとしての器を見せ付けたものとなった。
沢村は天然のムービングボールを投げれるとはいえ、変化球を持たない。
だから御幸先輩は徹底してインコースへ投げさせた。当然、打線自慢の桐生には打たれた。
だが、バックのおかげで凌いだり、自身のファインプレーもあったりで、結局３点取られただけだった。
一軍デビュー戦としてはまぁまぁだろう。
.
夕食の時間になり、食堂に行くと、沢村と降谷が放心していたので、声をかけに行った。
「おつかれ！良かったぞ二人とも！」
と、二人の頭をいっぺんにガシガシと撫でてやる。
しかし反応がないので顔を除き込むと、
「すげぇ疲れた...」
と沢村がボソッと呟いた。
.
そして、その翌日の練習試合は青道のいる西東京地区の最大のライバル、稲城実業との試合だった。
そんな稲城実業のエースは成宮 鳴。
１４８km/hのストレートに、フォーク、スライダー、チェンジアップを投げれるすごい投手なのだが、この人を俺は知っている。
この人の出身中学は帝光中だ。
委員会が同じだった。ちなみに体育委員だ。
声をかけないのも失礼だろうと、試合前に油を売っている成宮先輩に話しかけに行った。
「お久しぶりです」
「え？！A！？」
成宮先輩は、やはり俺がいたことに驚く。
軽く他愛もない話をしたところで、はたと何かに気がついたらしく言葉を止めた。
「まさかと思うけど、野球始めたなんてことないよね？」
「始めましたよ。だからここにいるんでしょ」
「何当たり前のように言ってるの！？バスケは？」
「今は野球一筋です」
「お前バカ！？せっかくの才能無駄にする気！？」
俺の肩を持ち、前後に揺らす成宮先輩。
気持ち悪い。
「...いいじゃないですか、もしかしたら野球の才能もあるかもしれませんよ？」
なんて言ったら
「言ったなこのやろー」
......揺らす勢いが強くなった。
「成宮、集合だぞ」
「あ、おう！」
成宮先輩を呼ぶ声が聞こえる。
そろそろ試合が始まるのだ。
成宮先輩は当然だが試合に出るから俺たちの話は中断された。
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グリム(プロフ) - 最っ高におもしろくて凄くはまりました。更新待ってます。 (2023年3月21日 9時) (
レス) id: 66f712e8a8 (このIDを非表示/違反報告)
海遊良(プロフ) - もう続きはないのかもしれませんが、更新待ってます (2020年1月3日 10時) (レス) id: b718c21f60 (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - 更新待ってます！ (2019年2月24日 8時) (レス) id: ca37833d14 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 頑張ってください。続き楽しみにしています。 (2017年11月6日 23時) (レス) id: 347852fa7e (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 更新お願いします……。いや、ほんと、マジで。続きが早く読みたいです更新停止中ってなんですか！中途半端過ぎですよ〜！読みたい読みたい読みたい読ませろ読みたい読ませて読みたい…… (2017年4月3日 11時) (レス) id: 9d198da762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トリ x他1人 | 作成日時：2016年2月20日 8時
