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*


雨が降っている。



そこまで強くもないが、弱いとも言い難いような
何とも形容しがたい程の雨が地面を濡らしていた。


そんな天気の中、仕事に行く気分にもなれず
気圧だ何だと言い訳をして社員寮の自室に引きこもっている男が1人。

ただ何もせず、物が散乱した自室に敷きっぱなしの布団に横になっていた。


なんとなく読み始めた本も特に面白みがなく
ただ今も読み続けている理由は、やめるには、どこかキリが悪いからと言うつまらない理由である。



こんこん、と玄関の扉が外から叩かれる
社の業務が終わる時間でもない故、探偵社員の誰かが見舞いや何かに来た訳では無いだろう。

では誰なのか。彼にはなんとなく分かっている
けれど、何となく嫌な予感がしてならない


来客ならば、本を読み続ける訳にもいかない。
本を閉じる前に栞代わりに未使用の絆創膏を
男は本の間に挟んだ。


男の考えはだいたい当たる。
考え通り、扉を開くとそこに立っていたのは
自分より小柄で愛くるしい女性が立っていた。


ただし、傘を持っていない。
この雨の中それが何を意味するか
彼女はずぶ濡れのまま、立ちすくんでいる


『どうしたんだい?Aちゃん。』

なぜ傘を持たず濡れたのか
こんな昼間に仕事は大丈夫なのか
聞きたいことは山ほど出てくるが、彼女に質問を投げかけられるような雰囲気ではなかった。



「太宰さん、昨日…私は」

「人を殺しました。」

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作者名:鷹司 要 | 作成日時:2024年3月3日 0時

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