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*


喫茶うずまき


彼の行きつけの店らしい


?「おばちゃん、私はコーヒーで。君はどうする?」


『あっストレートティーお願いします』


「コーヒーとストレートティーね!太宰ちゃん、またナンパかい?」


?「違うって〜」


「ふふっ」


奥さんは微笑みながらマスターさんに注文を伝えに行く。


どうやら彼は太宰と言う名前らしい


太「私は太宰。太宰 治。君は?」


『織田…Aです』



そうか…そう彼は呟いて懐かしいような、寂しいような顔をしていた


太「織田作の事を知っているのかい?」


『はい、存じ上げております。』


彼は織田作之助の事を…兄の事を知っている。

もしかしたら、兄の居場所が分かるかもしれない。そう思った私は太宰さんに聞いた


『あの、織田作之助…兄は元気にしていますか?』



太「兄…織田作の妹…なのかい?」


ここまで来たら隠す必要は無いだろう。そう思った私は正直に話すことにした


『はい。私は織田作之助の妹です。』


太「そうか…ははっ」


太宰さんは俯いて笑った。


『あの、兄さんは今何処に…』


そう聞くと悲しい顔をして笑った


太「亡くなったよ。4年程前にね」




亡くなった。その一言が心に響いた。



苦しくなった。兄を追いかけヨコハマに着て、兄と会えたら同じ仕事をしようと辞めてきたのに…


涙が出てきた。もう泣かないと思ってたのにな…


そんな事を考えているといつの間にか太宰さんが隣に座っていて頭を撫でてくれた。



…暖かい


その温もりを感じると涙が溢れてきて思いっきり泣いてしまった。



いい歳した女が何しているんだろう。


周りの人はそう思っただろう。



だけど今だけは…





泣かせて



*

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まい - 更新応援しています!! (2021年2月12日 14時) (レス) id: 876e72cf14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:細川 昴 | 作成日時:2021年1月19日 21時

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