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貴方side
ヒロト「A、君が苦しかったことを思い出してごらん」
スピーカーからヒロト兄の声がして
私はその言葉通りに思いをめぐらせる。
初めて千宮路様に逆らったあの時
太陽の体の限界を無視して利用して
大切な友達を傷つけたあの時
雷門中のみんなを、天馬を追い込むために
罪のない学校を潰して知らないふりを演じたあの時
雷門中のみんなを星空リンとして騙していたと告げた
ゴッドエデンでのあの時
ゴッドエデンで天馬達を裏切って潰そうとしてた私を
みんなは受け入れてくれた。
信じてくれてた…
私はそれが凄い嫌だった。辛かった。
何度も何度も裏切って…みんなの優しさを利用して…
改めて私は“悪魔”なんだと思い知った。
雷門中と出会って、みんなとボールを蹴って
心を少しずつ動かされたあの感覚…。
貴「全部嫌だった…」
許されるなら、初めから雷門中の革命に乗ればよかった。
でもできなかったのが現実
幼い頃の千宮路さんへの恐怖が勝ってしまってた。
もし千宮路さんと出会っていなかったら
守兄たちと離れなくて済んだのに…
サッカーで人を傷つけるのことだって無かったのに…
どうして運命は私を苦しめるの？
貴「Aが何したって言うの…？」
フツフツと湧き上がる怒りが私の鼓動をはやくした。
貴「親も親だよ…私を勝手に捨ててさ…」
Aは知ってるよ？
2人が血の繋がった人達から嫌われてたこと。
私をどうして産んだの？
なんのために私は生まれてきたの？
貴「ねえ…教えてよ…」
ﾌﾞｳｫｫｫｵｵｯ＿＿！！
ヒロト「Aの周りに風が…！」
貴「アイツらが私を産まなきゃ！！！私はこんなに辛い思いしてない！！！！」
緑川「どんどん周りの風が強くなっている…これがAの力なの…？」
貴「私は運命を恨む…！！！私を苦しめた奴らを許さない…！！！」
私の感情は留まることなく溢れ出した。
ずっと無意識に抑えてた…運命を受け入れて、今度こそ楽しく生きるために。
辛かったことなんて忘れるために…自分を見失わないために
貴「ぁぁぁぁああああッ！！！！！」
ﾄﾞｫｵｵｵｵｵﾝｯ＿！！！！
風はムチのようにコンクリートの壁を破壊
今は力に身を委ねよう
感情を全部さらけ出すために。
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2023年3月21日 3時
