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「そうだ、Aさん。私も彼と話しましたよ＿＿松風天馬と」
貴「…そうですか」
私は準決勝当日、スタジアムに入ってすぐに
お手洗いに行くと嘘をついて
千宮路様のもとに来ていた。
千宮路様の後ろには息子の大和もいた。
千宮路「Aさん、頼みましたよ。あなたにしかできないのですから」
千宮路様の手が私の肩に触れ、私は思わずビクッと身体を震わせた。
そんな私を見て千宮路様ら笑って、行ってしまった。
くそっ…！！！！
大和「……A、なぜ震えている？」
貴「……大和…」
大和「…俺がその震えを止めてやることが出来ないのが悔しいと思う」
貴「……」
大和は私を1度抱き寄せると、すぐに父である千宮路様を追って行ってしまった。
昔はあんな、父を持つ大和とサッカーの練習をしていた。
お互い切磋琢磨し合い、唯一のライバルだった。
私の気持ちが分かるわけない…
私に味方などいないのだからッ
この試合で雷門を敗北へ…ｯ
太陽を勝利へ導く…
太陽は私の真意を知らない…この試合を楽しみにしている彼をも裏切る。
絶望、するだろうな…
幻滅、するだろうな…
貴「涙が…止まらない…(涙」
昨日の練習は楽しかった。
天馬たちとサッカーするのが楽しかった。
できることなら、今日を迎えたくない想いでいっぱいだった。
貴「…私ｯ…」
こんな私を信じて受け入れてくれた雷門をまた裏切るんだ…
あの人の言いなりになってばかり…
人を支配して人を騙して人を裏切って
最低だ。
「A、ここにいたんだ！」
貴「(ﾋﾞｸｯ…！！！！…て、天馬」
松風「全然帰ってこないからみんな心配したよ？」
貴「…ごめんごめん！帰る場所迷っちゃってね。良かった天馬が見つけてくれて」
松風「A！頑張ろうね！」
いつもみたいに笑っている天馬に私は笑って返すことも出来なかった。
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月3日 17時
