早朝 ページ31
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朝4時前に眠たい目を擦って、パパをすり抜け身支度を済ませた。
誰にもバレないように、見つからないようにこっそりと宿舎を出た。
あくびが止まらないなか事務所に着いたのは約束の時間までもう少しと言うくらいだった。
ジンさんの言う通り、誰もいない時に限るけど私が思う可愛い角度に顔をカメラに向けて顔認証を解除する。
ジン｢やっぱり俺の言った通りだろ？｣
｢え、｣
ジン｢朝からありがとう｣
｢じ、ジンさん！！お、おはようございます｣ﾍﾟｺｯ
ジン｢おはよう｣
｢今のは...｣
ジンさんに見られたーー
あー、あんなキメ顔してるなんて
『私お嫁に行けない...』
ジン｢やーやー、良かったじゃないかー。Good｣
ジン『お嫁は行ける。お婿さんをさがしてあげるから』
｢ジンさんが秘密にしてくだされば多分大丈夫です｣
ジン｢可愛い子だな〜笑笑笑｣
今日も安定の窓拭き笑い声が聞けた笑。
｢恥ずかしすぎます｣
ジン｢大丈夫。大丈夫｣
｢そういえば、この時間から何をするんですか？｣
ジン｢写真をSNSにあげようかなって｣
｢写真ですか？｣
ジン｢うん。君の同意が必要だろ？この前は何年か後とか言ってたけど俺は韓国人で成人男性だ。数ヶ月以内に兵役で玲奈ちゃんとは会えない日々が続くだろうから。その前にね｣
｢あっ、｣
そうだ。ニュースで兵役についての話を定期的に見ることがある。
"俺は韓国人で成人男性"
その言葉が凄く重たく感じてしまった。
会えなくなっちゃうのか....
ジン｢やーそんな暗い顔するなよ笑。俺相手にそんな顔してたらメンバーが行く時どんな顔するんだ？笑って見送ってあげないと｣
｢わかってはいるんですけど、表情が感情とついてこなくて｣
ジン｢なんて子だ笑｣
｢寂しいです。そんな関わりないって思われるかもしれませんが、それでも寂しいです｣
ジン｢ちゃんと行く時も帰ってきた時も報告するから｣
｢お願いします｣
ジン｢お姫様は扱いが難しいね｣
｢甘やかされて大切に育てられたので笑｣
ジン｢笑笑笑笑。この前の写真と今日新しく撮った写真を投稿しよう｣
｢はい！｣
大丈夫。写真を投稿するだけだもん。
ジンさんが思い出として残してくれてるだけだから
他の誰が何を言おうが関係ないから
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作者名：恋奈 | 作成日時：2022年8月8日 21時
