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当時の僕らは喋らなかった。


喋れる手段がなかったからだ
でも玲奈は僕の隣によく来ていた。
話も出来ないのに僕のところに来てもねって思ってた


思ってたけど、何も話さないけど隣にいると何故か落ち着く

それはお互い感じ取っていた。


練習室の隅っこで2人で座っていた。
ただ隣にいるだけ。
玲奈は必ず僕の右側に座って頭を僕の肩にあずける。
するとふぁっと香るシャンプーの匂い


ジュン「玲奈〜」


『じゅんさ〜ん』


これだけで十分だった。
お互いの名前を呼ぶだけ


穏やかな時間が流れるその空間が好き
そして気がついたら2人で寝ているんだ。


何回メンバーに起こされたかわかんないくらい



何となく韓国語が分かるようになってきたころ
少しずつ話すようになった。
ゆっくり話して確認しながら聞き取って
それの繰り返し


ジュン「ご飯食べない?」


「ご飯食べるー!」


2人で外でご飯食べることも怖くなくなったころ


「ねぇじゅんじゅん。私と話す時中国語で話して欲しい。分からなかったら韓国語で意味を教えて」


ジュン「へ?」


「中国語も少しずつ学びたいの。2人の共通言語が韓国語でしょ?だから、私が疑問に思ったら韓国語で質問するみたいな感じで」


ジュン「なら玲奈がそうするなら日本語で話して?分からなかったら韓国語と中国語で話してあげる」


「それいいね!!わかった!」


玲奈が僕に話す時は中国語。
分からなくなったら韓国語で確認する
逆に
僕が玲奈に話す時は日本語で話す
わからなくなったら韓国語で確認する


「お腹空いたってなんて言うの?」


ジュン「我饿了」


「我饿了」


ジュン「对(そう)对(そう)。日本語は?」


『お腹空いた』


ジュン『おなか』


『空いた』


ジュン『すいた』


「对(そう)!」


ジュン『なるほど〜』



こんな会話をする日がずっと続いた


ウジ「お前らは不思議な会話の仕方だな笑」


「勉強にもなるからね!」


ウジ「頑張れよ」


「ありがとー」

3→←-不思議の国の2人-



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作者名:恋奈 | 作成日時:2021年6月1日 11時

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