好きです、渡辺さん！ (ページ10)

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渡辺さんを好きになってから
メイクも服も、前より何倍も気にするようになった

起きる時間をちょっと早くして
メイクを念入りにして髪を巻いてみたり

部署が違うから絶対会えるとは限らないけど
その逆で、絶対会えないとも限らない

いつどのタイミングで会っても大丈夫なように
毎日気を付けてるんだ

今日はなんとなくアイシャドウの色を変えて
お気に入りのスカートを履いていこっと

『おはようございまーす』

香織「 … あれ、なんか今日変えた？」

『えっ、分かります！？
アイシャドウ変えたんです』

香織「え～どしたの、気合入ってるじゃん！
え、まさか翔太とどっか行くの…!?」

『違いますよ、笑
変えたいな～って思って気分で、笑』

香織「なんだ、そっか…
ついにAのランチ攻撃が叶ったと思ったんだけどな～」

… なんて会話をして数時間後、
部長に呼ばれた私は絶好のチャンスを手にした

部長の手元には書類があって
" これを営業部に持って行ってほしい " … と。

『 …… え？』

部長「あんまり営業部と関わることは無いから
行きづらいか？あ、他の奴に頼んで…」

『いや！！行きます！行かせてください！』

部長「お、おお… そうか、」

『私に任せてください！失礼します！』

まさか仕事の一環で営業部に行けるとは…

しかも今日いつもと雰囲気変えてるから
もしかしたら渡辺さん気付いてくれる…！？

え、どうしよどうしよ、想像しただけでにやにやしちゃう

部長「 … 変なやつだな、」

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