好きです、渡辺さん！ (ページ13)

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転職先で偶然再会したAちゃんは
前よりも綺麗になっていて

まさか再会できるとは思ってなかったから
これは神様がくれたチャンスなんやと思った

指導係になってくれて一緒にランチにも行けて
少しずつでも頑張らなって思った矢先、

『渡辺さんっ！』

渡辺「うわっ、え、なんで？」

『近くでランチしてたら偶然渡辺さんを見つけました！』

渡辺「はぁ… 見つけても来なくていいから、」

急いでお店を飛び出して
向かった先にはスーツ姿の男の人

… あれ、あの人どこかで…

Aちゃんが " 渡辺さん " と呼んでるその人は
めんどくさそうな顔で話している

…… なんやねん、あの顔、Aちゃんが話してるんやからもうちょい笑顔でもいいやん、

Aちゃんのとびっきりの笑顔を見て
胸の奥がざわざわした

… そっか、

Aちゃんが今日幸せそうだった理由も、
コーヒーを克服できた理由も、

全部あの人のおかげやんな？

会話は全然聞こえんけど
Aちゃんから "好きです！" って感じ、伝わるもん

『ごめんね、ちょっと先輩見つけちゃって…』

向井「 … あの人、同じ会社なん？」

『そう、営業部の渡辺さん！』

向井「え、あんなイケメンが営業部…！？
売上成績良さそうやな～… 」

ね、ほんとかっこいいよねって笑顔を向けられたら
" 付き合ってるん？ " … なんて、聞いたらあかん気がして

いつもより苦く感じたコーヒとともに、その言葉を飲み込んだ

… これって、俺にチャンスあるんかな

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