漆拾漆話 御館様サイド ページ40
急に頭を抱えて呼吸が荒くなったA、
私は何をしたら良いのか分からず
取り敢えず鎹鴉であの子たちを呼んだ
A「ぁ、…ゃだ、いや、あ……」
『大丈夫だよ、大丈夫』
私は子供をあやすように頭を撫でて肩を抱く
涙を流し、嗚咽を漏らすAを見て心が痛む
A「あい、してょ……おと、さ…」
『深呼吸をしなさい、ゆっくりと、』
A「はっ、ぁ、…っ、」
私が何を言ってもAの過呼吸は収まらない
………、寧ろ悪化していく一方だった
・
A「いやだ、ひとりは怖いよ、
くらくて、さみしくて、つめたくて嫌だ……」
『!……A、
大丈夫、私はそばにいるよ』
A「……うそだ、結局ひとりにするんだ」
『…私が、信用できないかい?』
A「…………あの人も、最初は優しかった」
光の宿っていない瞳が、私をとらえる
その瞳は何の希望もうつしてないようだった
・
A「ぃ、…つらい、かなしい、……」
段々と心の内を吐露するA、
それは今まで私が見てきた彼女の姿とは異なり
弱々しく、今にも消えてしまいそうだった
・
「失礼致します」
その声と同時に襖が開かれ、
その"四人"は私の腕の中で涙を流す彼女を見て
苦しそうに表情を歪めた
・
「Aちゃん、どうしてっ」
「………御館様、」
「こら、……と言いたい所だが俺も何が起きてるのか全く理解できない。
失礼を承知でお聞きしたいです、御館様」
「A………泣かないで、…よしよし」
・
・
『取り敢えず座ろうか、
…義勇、錆兎、真菰、尾崎』
・
義勇「……、」
錆兎「?どうした義勇、早く座れ」
義勇「なんでもない」
真菰「……義勇、今は考えても仕方ないよ」
義勇「嗚呼、(分かっている)」
尾崎「真菰ちゃん真菰ちゃん、
Aちゃんの手、一緒に握ろう……?」
真菰「!………うんっ」
・
A「ふっ、…」
少しだけ、彼女が笑った気がした
この子達を呼んだのは間違いではなかったみたいだね
・
『じゃあ、今起きたことをすべて話すよ
正直私もよく分かっていないから、
理解できない点も多いと思うけど、
………、最後まで何も言わずに聞いてね』
153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*柑橘類*(プロフ) - この作品、すごく好きです。応援してます、頑張ってください! (2021年7月26日 10時) (レス) id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - はぁぶ。さん» 素敵なコメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2021年1月7日 9時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。 - おもろ。更新楽しみにしてます! (2021年1月3日 12時) (レス) id: f02807bc8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくてぃー | 作成日時:2020年12月30日 23時