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第9話 ページ10






「ドラケン君!!ドラケンくーん!!!」




オレは悪天候のなか目的の彼を探す。しかし、人と雨が邪魔をして思うように前に進めない。今日のこの抗争できっとドラケン君はキヨマサ君に殺されちまう。アッくんを、ヒナを救う為にもオレはドラケン君を救わなきゃダメなんだ。でないと、タイムリープしてきた意味がない。

人の波に押され、時にはぶっ飛んできた敵にぶつかり尻もちを着くが気にしない。早く、早く。焦る心を落ち着かせながらオレは目を凝らして探し続ける。

雨が重く体中にまとわりついて気持ち悪い。呼吸を整える暇もなく、走り続ける。走って、走って、走って……。














───いた!!およそ5mほど先。雨の中佇むキヨマサ君をオレの目が捉えた。やっと見つけた!キヨマサ君だ!!オレが絶っ対ぇ止めてやる!!そう意気込むと、ふと、キヨマサ君の前に誰かがいることに気付いた。

1人は綺麗に結い上げたホワイトベージュの髪に可愛らしい花柄の着物を身にまとった女の子。もう1人は、くせっ毛の綺麗な漆黒の髪に紺色グラデーションの着物を身にまとった男の人。男の人は女の人を庇うように、キヨマサ君の前に立ちはだかっていた。



「ア"?誰だ、テメェら。」

「!お、お前らっ……。」



キヨマサ君は不機嫌そうに睨みつけた。一方、ドラケン君は驚いたように目を見開き、2人の背中を見つめていた。ドラケン君はこの2人と知り合いなのか?そんな疑問を解決する暇もなく、事は進んでいく。

ドラケン君を殺す。その目論見を邪魔されたせいか、キヨマサ君は何時にもなく不機嫌そうだった。感情のまま振り下ろされたナイフは意図も容易く男の人に叩き落とされてしまう。体全身を使ってぶん回した拳も、勢いよく振り上げた全力の蹴りも、男の人は赤子の手をひねるように軽々とそれらを避けた。

その圧倒的な戦いに目が奪われた。あのキヨマサ君を赤子のように扱うだなんて!と感心していると、女の人に名前を呼ばれた。



『ねぇ君、この子の知り合い?』

「あっ、はい!………ってドラケン君!!怪我はないっスか!?」

『いや、私が来た時にはもう……。けど、途中で堀川が蹴飛ばしてくれたから致命傷にはなってないはず。今すぐ病院に行けば間に合う。』



女の子は「守れなくてごめんね」と言って頭を下げた。




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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (10月5日 17時) (レス) @page25 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年8月26日 22時

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