所詮、ただの人間である。【東リべ】 (ページ7)

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第6話ページ7

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「ルナ！！マナ！！」

「おにいちゃん見て見てー！このおにいちゃん力持ちー！！」

「きゃー！おにいちゃんもっともっとー！」

「危ないから一人ずつね、いい？」

「「うん！！」」

普段短刀たちと遊んでいるお陰か、小さい子たちの扱いには長けている堀川。キャッキャと騒ぐ女の子2人の相手をそつ無く熟す堀川の姿を見て、流石兼さんの相棒だな〜と思った。女の子たちと堀川の微笑ましい姿をベンチに座って眺めること十数分。突然、男の子が現れた。ルナ？マナ？この子達の名前か？なんて考えていたら女の子たちがその人の姿を見て兄と呼んだ。事情を何となく察した私は焦る男の子に声をかけて私の隣へ誘導して話を聞いた。どうやら買い物途中にルナちゃんとマナちゃんが急に走っていってしまったらしい。どうりで君は汗だくなんだね、と笑うとその子は恥ずかしそうに頬をかいた。

まだ幼いのに子守りもお使いもしてるとか良い子すぎてお姉さん泣いちゃいそう。ジジイ共なんか茶を飲むだけで仕事しないのに。この間なんてまた鶴丸が屋根裏に変な部屋作ったり本丸の部屋のひとつにカラクリをしかけたりして長谷部にぶん殴られてた。そうやって誰彼構わずイタズラしかけて一期や江雪に怒られても私絶対擁護してやんないんだからね。

「あんなに楽しそうなルナとマナ久しぶりに見た……我慢、させちまってたか。」

『…家のこと率先してやるなんて偉いじゃん。』

「お袋は夜遅くまで働いてるから俺が家のこと全てやってるんだ。別に、これくらい普通だよ。」

ふと、聞いてしまった家庭事情。こういうのって私聞いちゃって大丈夫なのかな？と思いながらそっかーと返す。この世には多種多様な家庭がある。子どもの全ては親だ。だから親が暴力的だったり無関心だったりすると、それはそのその子に最も大きな影響を与えてしまう。そして、生まれた環境を憎んで歩みを止めてしまえば、良き未来などやってこない。……まあでも、この子は大丈夫かな。真っ直ぐな目をしている。

その子は、三ツ谷隆と名乗った。女の子たちはツインテールがルナでお団子ツインがマナと言うらしい。この場に毛利が居たら嬉しそうに「小さい子たち！」なんて言ってはしゃぐのかな、と思い小さく声を出して笑った。

私が自分よりずっと年上なことを三ツ谷くんが知るのはまた別のお話。

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