所詮、ただの人間である。【東リべ】 (ページ24)

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第23話ページ24

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「はい先生！縄で縛られた時はどうしますか？」

「小型ナイフを常備するのが一番ですけど、どうしてもって時はこことここをこう潜らせて………そしたら次第に結び目が緩くなるので後は腕力で何とかなります！」

「相手がドスもってる時はどうすりゃいいんだ？」

「初心者の刀捌きなんてたかが知れてます。落ち着いて背後に回り込んで手首を叩くかもういっそ意識ごと刈り取っちゃいましょう！」

「はいはーい！じゃあ、戦ってる時にたい焼きがどうしても食べたくなった時は〜？」

「相手を瞬殺出来るくらい強くなれば万事解決ですね。」

松野くん、場地くん、佐野くんが堀川に戦術だったりいざと言う時に役に立つ豆知識を教わっている。三途くんは佐野くんにピッタリくっつき、私はドラケンくんとお茶を啜りながら和やかな空気を楽しんでいる。何より朝は憂鬱そうな表情だった堀川が笑顔なのが嬉しくて、無意識に頬が緩む。やっぱり大好きな家族の笑顔は何よりも私を幸せにしてくれる。

「なあ、ずっと気になってたんだが、オマエと堀川ってどんな関係なんだ？兄弟じゃねぇんだろ？」

『私と堀川は家族だよ。』

「は？………え、兄弟なのか？」

『ううん。けど、もう十数年も一緒にいるし、私は堀川を本当の家族だと思ってるよ。』

私の言葉に首を傾げるドラケンくん。別に分かってもらわなくていい。人の数だけ価値観が存在するのだから、理解できない価値観があっても何ら可笑しくはない。

私は血の繋がりだけが"家族"じゃないと思ってる。血縁関係だとしても私は私を捨てたあの人たちを親だとは思いたくない。誰になんと言われようとも私は刀剣たちが私の家族だと断言し続ける。私たちは神様と人間で、交じるはずのない関係だけど、それでもこの十数年で築き上げた信頼や絆は言葉には形容できないほどに大きなものになって来ている。

私はみんなのことが大好き。みんなの為なら命だって惜しくない。家族だから大好きなんじゃなくて、大好きだから家族なんだ。

家族なんて名称は所詮、後付けに過ぎないのだ。

『君だって佐野くんのこと弟だと思ってるでしょ？』

「えっ？そうなのケンチン？」

「はぁ？ちげぇし。適当なこと言ってんなよマイキー。」

「何でオレ？？」

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