所詮、ただの人間である。【東リべ】 (ページ22)

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第21話ページ22

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『お？』

「急にどうした？次オマエの番だぞ。」

『はいは〜い、っと。』

イヌピーの手札から一枚引いて、自分の手札と照らし合わせる。お、ペアあった。

時間をかけて作った完全防御の御札には私の霊力がたっぷり流し込まれている。その為、結界が展開されると自動的に私に伝わるようになっているのだ。そして今、松野くんに渡した札が使われた。つまり、松野くんの近くでピンチが起こったという訳なのだ。今日は一年に一度のハロウィーンだと言うのに何をしているのだろうか。まあ、かという私もハロウィーンらしいことは何一つ出来ていない。

去年は本丸のみんなでどデカいパンプキンパイ作ったりお化けの仮装をしてお互いを脅かしあったりしてたなあ。誰が一番怖い仮装が出来るのか〜ってコンテストを開催する予定だったんだけど、あまりにも粟田口の短刀たちが怖がるから一期に却下されたんだっけか。

去年のことなのに凄い懐かしい〜。あ、そうだ。私はトランプを机に叩きつけながら一番抜けなり〜と声に出して席を立ち上がった。

『あのさ、』

「「却下。」」

『なんで？？』

主まだ何も言ってないんですけど(？？？？)

＊

『ちょっとメイドのコスプレして貰おうと思っただけなのに………あわよくばそのままお菓子作りして貰おうと思っただけなのに。』

ハイ、思考回路が変態すぎるという前代未聞の理由でココくんとイヌピーのアジトから追い出されました。主ことAです。欲望に忠実で何が悪い。あ、これ私の座右の銘ね。

悲しいオーラ全開にして街を歩く。私を照らす夕陽が心做しかいつもより少し温かく、優しく感じた。薬研と蛍丸もすっかりあの二人に懐いちゃったし。主そろそろ泣いちゃいそうだよ。

「主さーん！」

『あ、堀川。今までどこに……………え？何その大群？』

堀川の声だ！と勢いよく顔を上げると、そこには堀川以外にも見知った顔を見つけた。てか、なんかみんなボロボロなんだけど。こんな日にリアル修羅場ごっこでも開催してたの？それやっていいの包丁達だけなんだけど。短刀達がやるから可愛いで済むんだよ。知ってた？

「Aさん！！！！ッあの！！！！お、御札ありがとうございました！！！！」

『うん。君は何よりも先に病院に行け。』

なんだその有り様は。って、それは他の人たちもか。

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