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第18話 ページ19






「やっほ〜主。」

「よぉ大将。今日は一人か?」




無機質な重いドアを押し開けると、ふわりと笑う蛍丸と薬研が私を迎える。松野くんとタケミっちくんと公園で出会った次の日の夕方。兼さん探しの旅に出た堀川の悲しそうな背中を見送ってから私は此処に訪れた。そろそろ本丸に帰る方法を探し出さないとな、と考えながら歩いてたから此処にくるまで2、3度電柱に頭をぶつけた。いつだって人間は考えることがたくさんだ。嫌になっちゃうな。

私は薬研に堀川のことを伝えて中に入ると、ソファに寝転ぶイヌピーを見つけた。そのすぐ隣には何故か楽しそうに札束を数えるココくんが足を組んで座っていた。その歳からお金に目がないのか。博多と気が合いそうだなこの子。

私はソファに座る前に「あ、そうだ」とさっき買ってきたお高いバームクーヘンを机の真ん中に置いた。「イヌピーとココくんも良ければどうぞ」と言うと、驚いたようにココくんは目を見開いた。その後すぐに警戒したように目を細めたので、私は首を傾げた。



『ウチの子たち面倒見てくれてるお礼だよ。要らない、なんてそんな寂しいこと言わないでね。』



ニッコリと微笑み圧をかければココくんは素直に小さく頷いてバームクーヘンに手を伸ばした。ふふふ、なんか弟ができたみたいで可愛い〜。



「お、これは絶品だな。…………いち兄や兄弟たちにも食べさせてやりたい。」

「うん、国俊と国行も好きそう。」



耳を澄まさないと聞こえないくらいの小さな声で紡がれた薬研と蛍丸の本音に胸が痛む。例え何百年を生きる神様だとしても親しい人と離れたら寂しさは感じる。弱音だって吐くし、不安だって抱える。

大丈夫だよ。願えば、きっと。せめてこんのすけと連絡が取れれば少しは希望の光が見えてくるのにな。清光、私たちが居なくなったのは自分のせいだって責めてないかな。初期刀だからってすーぐ全責任を負っちゃうんだから。ほんと、困った子だよね。



『…………拠点移そうかなぁ。』

「「は?」」

『え?』

「引っ越すのか?何で?」



あ、やべ。心の中でボヤいたつもりだったのに。てかイヌピー君いつ起きたの?寝起きから目バッキバキじゃん怖いんだけど。




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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (10月5日 17時) (レス) @page25 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年8月26日 22時

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