第16話 ページ17
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『あれ、タケミっちくん?』
「え?あ、Aさん?」
某日お昼頃。堀川と2人でお散歩していた。ちょっと公園でも寄っていこうかな〜と自由気ままに歩き回る私の後ろを着いてきてくれる堀川。握られた右手がとても暖かい。ずっとこのままでいいのにな、なんて思っていたらブランコに2つの人影を見つけた。確かタケミっちくんと………ま、まつやくん?いやなんか違う気がする。まつ……まつ……何だっけ?と、悩む私を横目に堀川が「お久しぶりです、松野くん、花垣くん。」と言った。そう!松野くんだ松野くん!!いや〜流石私の近侍!!あ、因みに薬研と蛍丸はイヌピーとココくんと一緒にいる。結構気が合うから話していて楽しいらしい。ほら、可愛い子には旅をさせよって言うでしょ?
あ、そういやイヌピーの質問結局最後まで濁しちゃったけど大丈夫だったかな。でも、私は何者でもない。みんなと同じただの人間だって言っても納得してくれなかったし。
『ねえ君、その怪我どうしたの?』
松野千冬くん。確かこの間、場地くんていう子の隣にいた子だ。三ツ谷くんがこの2人はニコイチみたいな存在だからとか何とか言ってたな。そんな記憶を掘り起こしながら目の前にいる松野くんを見る。うーん。かなりボコボコにされたね〜。人間は手入れじゃ治らないんだから自分の体を大事にしないと。これは人間もウチの子たちも一緒だけどさ、死んだら死んじゃうんだよ。
私の問いに口を開いたのはタケミっちくんだった。よく分かんなかったけど、つまり、場地くんが仲間の為自分を犠牲にして敵のチームに入った。そして、場地くんがそのチームに入る為の犠牲に松野くんがなったらしい。はは、なんだそりゃ。
『ふーん、彼が、ねぇ。』
「え、場地くんとお友達なんすか?」
『いや全然。』
私の答えに素っ頓狂な声を出す彼。いやあ、お友達どころか知り合いですらないんだよなあ。
「場地さんは東卍を裏切ってねぇ。場地さんは………場地さんは、東卍の為にっ!」
『場地くんは幸せ者だねぇ…………でも、上に立つ者としては失格だ。』
「あ"?テメェ今何つった?」
拳を振りかぶる松野くん。焦るタケミっちくん。咄嗟に私を庇うようにして間に立つ堀川。
だってそうでしょ?ねえ。
だって、こんなにも君たちを不安にさせてるんだから。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (10月5日 17時) (レス) @page25 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年8月26日 22時