第13話 ページ14
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刺青のセンスが独特すぎる子たちからの喧嘩を買った、というか買わざるを得なかった。売り言葉に買い言葉だったかもしれないけど、それでも、堀川と薬研の準備運動にはなるだろうと思い私は後ろから傍観していた。そんな私を狙う輩もいたけど全員一瞬後にはアスファルトに吸い込まれるように倒れた。うちの子たちがそう簡単に大将首差し出すわけないじゃん馬鹿なの?と言いそうになるのを我慢した。そんなこんなで三十分ほど経ち、敵の数もあと僅かだ〜ってなってたら裏路地に着信音が鳴り響いた。着信源は刺青の子の携帯。数分話し込んだと思ったら「退散すんぞ」と言って暗闇の中へ消えていった。突然の撤退に驚いたが、まあ、追う必要性もないので大人しく私たちも裏路地から抜け出した。
とりあえず休憩したかったのと、薬研からの話を聞きたかったのでそのままス〇バへと足を進める。道中、一応怪我の確認をしたけど無傷だった。なんなら堀川ちょっとスッキリしたような顔してた。花見とかしたいね〜なんて話しながら目的地のお店のドアを開け、ひんやりと頬を掠める風に心地良さを感じながら注文を済ませた。良さそうな席を陣取り、私はフラペチーノをストローで吸い上げながら薬研に目線を送った。
「先に言っておくが、俺っちたちも詳しいことは何一つ分かってない。ただ、蛍丸が大将に焼き芋持っていくっつーからそれに付き添ってただけだ。」
『ふ〜ん。………え、つまり?』
「蛍丸もいるぜ。」
突然の事実に頭が混乱する。蛍丸ってばわざわざ私に焼き芋持ってこようとしてくれてたの??可愛すぎて主今なら世界征服出来ちゃうんだけど??と、あまりの可愛さに眉間に皺を寄せる私をみて堀川が小さく笑う。
ねえ君ら可愛すぎな??そんな可愛くてどうすんの??君らは主をどうしたいの??これ以上は墓案件だからやめてくんね??
もはや逆ギレだ。理不尽である。
『とりあえず、大体は把握したけど君ら今までどこにいたの?まさか野宿してたなんて言わないよね?』
「はは、圧が強いぜ大将。そこは安心してくれ。」
詳しく話を聞くとどうやらぶらっくどらごん?とやらにお世話になってるらしい。我が子がお世話になったならきちんと挨拶しないとだよね。と、思い立ったが吉日。私はその人たちに会う為に薬研に仲介役をお願いした。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (10月5日 17時) (レス) @page25 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年8月26日 22時